日本科学者会議の山本雅彦さんは13日、京都府綾部市で講演し、関電幹部らが高浜町の元助役から多額の金品を受け取っていた問題について、「原発マネーは人権も金銭感覚もまひさせる」と指摘し、「原発から撤退し、世界の流れに沿って自然、再生エネルギーへの転換を図るべきだ」と訴えました。
また40年超の関電高浜原発1、2号機の再稼働については、「老朽化原発の問題は応力腐食割れで、非常に危険。いったん事故が起きると、京都、滋賀、大阪まで広範囲に被害が及ぶ」と反対を表明しました。
記事では危険とされている機器の具体名に触れていませんが、影響が大阪まで及ぶとしていることから、原子炉などの心臓部であろうと推測されます。
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「原発撤退し、再エネへ」 日本科学者会議・山本さん 綾部で講演/京都
毎日新聞 2021年2月14日
日本科学者会議福井支部事務局次長の山本雅彦さんは13日、「関電原発マネー還流問題と若狭原発の危険性~現地・福井からの報告」と題し、綾部市で講演した。関西電力の幹部らが福井県高浜町の元助役(故人)から多額の金品を受け取っていた問題を原発の歴史とともに振り返り、「原発マネーは人権も金銭感覚もまひさせる」と指摘。「原発から撤退し、世界の流れに沿って自然、再生エネルギーへの転換を図るべきだ」と訴えた。9条連近畿北部連絡会が主催した。
運転開始から40年以上経過した関電高浜原発1、2号機(高浜町)の再稼働については「老朽化原発の問題は応力腐食割れ(局所的な金属腐食)で、非常に危険。いったん事故が起きると、京都、滋賀、大阪まで広範囲に被害が及ぶ」と反対を表明した。
高浜町と隣接する舞鶴市からの参加者は、舞鶴商工会議所の請願を受けた市議会が2020年の12月議会で高浜1、2号機の「再稼働容認」を決議したことを質問した。「舞鶴市内からも2000人の労働者が原発の保守、定期検査で働き、地元経済を大きく支えている」とする請願理由についてだった。
山本さんは「原発にかかわらなくてもきちんと仕事ができるようにするのが市長、市議の仕事ではないのか。製造業が衰退したが、地場産業を興していけばいい。時代はどんどん変わっている。原発の廃炉技術を磨いていくこともいいのではないか」と述べた。【塩田敏夫】