柏崎市の桜井市長は25日の市議会の施政方針演説で、東電が原発立地自治体と結ぶ安全協定について「法的根拠の付与など、国や関係者と意見交換、研究を始めたい」と述べ、紳士協定にとどまる現状の見直しに言及しました。
東電は県、柏崎市、刈羽村と安全協定を結び、再稼働する際に事前了解を得るとしていますが、それは安全協定に基づくもので法的拘束力はないとされています。
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柏崎市長、安全協定見直しに言及 東電不正入室問題 法的根拠を研究
新潟日報 2021/02/26
新潟県柏崎市の桜井雅浩市長は25日の市議会2月定例会議本会議の施政方針演説で、電力会社が原発立地自治体と結ぶ安全協定について「法的根拠の付与など、国や関係者と意見交換、研究を始めたい」と述べ、紳士協定にとどまる現状の見直しに言及した。東京電力柏崎刈羽原発で所員による中央制御室への不正入室などが発覚し、改めて問題意識を持ったという。
同原発を巡っては、東電が県、柏崎市、刈羽村と安全協定を結んでいるが、法的拘束力はない。東電が原発を再稼働する際に関係自治体から事前了解を得ることも安全協定に基づいて行われている。
25日の本会議後、桜井氏は取材に「法的根拠のないものが再稼働のみならず、常に原子力政策に横たわる状況がいいのかどうか。時代に合わない部分もある」と語り、法的根拠を持つものにすることの是非も含め、国や他の原発立地自治体などと意見交換していく意向を示した。
一方、桜井氏は施政方針演説の中で、不正入室と7号機の安全対策工事未完了が相次いで発覚した問題に関しても言及した。「再稼働に関する今後の日程は見込みも付かないような状況だ。この事態を打開できるのは東電自身だ。原因の分析、改善策など誰もが納得できる取り組みが必要だ」と強調した。