福島原発事故の影響で発生した放射性セシウムを含む浄水汚泥を新潟県が保管し続けてきた問題で、県内で最も多い量約3万6千トンが保管されていた県営新潟東港物流団地分の搬出が17日、終わりました。残りは上越利水事務所の約6千トンと笹山浄水場の約1200トンで、県は21年度内の処分を目指します。
これらの汚泥については12年、当時の泉田知事が東電に全量引き取りを求めましたが、解決せず、花角英世知事が方針を転換し19年度以降は県が処分を進めていました。処分費は東電に請求します。
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放射性汚泥の搬出終了 新潟東港物流団地 県保管分残り2カ所に
新潟日報 2021/02/18
東京電力福島第1原発事故の影響で発生した放射性セシウムを含む浄水汚泥を新潟県が保管し続けてきた問題で、県内で最も多い量が保管されていた県営新潟東港物流団地(新潟市北区)分の搬出が17日、終わった。県保管分で汚泥が残るのは上越利水事務所の約6千トンと笹山浄水場(新潟市北区)の約1200トン(量はいずれも3月末時点の見込み)。県は2021年度内の処分を目指す。
国道7号バイパス・豊栄インターチェンジに近い東港物流団地。午前9時すぎ、汚泥の最後の搬出作業が行われた。ここは本来、誘致した企業向けの地。ただ笹山浄水場で発生した汚泥が浄水場内のスペース(約千平方メートル)に収まりきらず、新たな保管場所に選定された。だがここも敷地(約5万5千平方メートル)が一時、土のうで埋め尽くされた。
笹山浄水場では現在も低濃度の放射性物質を含む汚泥が発生しているが、今後は敷地内で保管し、順次処分や売却を検討していく。
汚泥を巡っては、12年に当時の泉田裕彦知事が東電に全量引き取りを求めると主張し、問題が長期化。花角英世知事が泉田氏以来の方針を転換し、19年度以降は県が処分を進めていた。処分費は東電に請求する。
東港物流団地の搬出は19年11月に開始され、搬出総量は約3万6千トン。時間とともに含水率の変化などもあり、当初見込み量より実際の搬出量は少なかった。
周辺住民は汚泥の早期処分を求め続けていた。笹山自治会の服部尚人会長は「素直に喜ばしい。ようやくなくなった」と話した。
県企業局施設課は「一区切りではある。(県管理分の)残りも早急に処分したい」とした。ただ、県内の市町村保管分の汚泥がどのくらい残っているかについては「把握していない」としている。