茨城県東海村にある国産初の研究用の原子炉「JRRー3」が新しい規制基準に対応する工事などを経て定期検査に合格しました。
およそ10年3か月ぶりに再稼働し、今月15日から核分裂反応が連続する臨界になりました。
原子力開発機構 原子力科学研究所の大井川宏之所長は「安全確保を大前提に運転し、学術や産業利用に貢献したい」と話しています。
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国産初の研究用原子炉が再稼働 10年3か月ぶり 茨城 東海村
NHK NEWS WEB 2021年2月26日
茨城県東海村にある国産初の研究用の原子炉で、運転を停止していた「JRRー3」が新しい規制基準に対応する工事などを経て定期検査に合格し、およそ10年3か月ぶりに再稼働しました。
茨城県東海村にある日本原子力研究開発機構の「JRRー3」は、昭和37年に運転を始めた国産初の研究用の原子炉で、その後大規模な改造工事などを経て、原発事故の前年の11月から定期検査に入り、運転を停止していました。
新しい規制基準の審査に3年前に合格し、建屋や排気筒の耐震工事や、燃料を冷やす原子炉プールに外部から給水するための工事などが先月までに終わり、今月15日からは核分裂反応が連続する臨界にするなどして検査が行われてきました。
26日は原子炉を最大出力で運転する最後の検査が行われ、中央制御室では原子力機構の検査担当者が冷却水の放射線量や温度に異常がないことなどを確認し、検査に合格しました。
原子力機構によりますと、ことし6月から核分裂反応で発生する中性子などを用いた大学や企業の研究などに利用される予定だということです。
日本原子力研究開発機構原子力科学研究所の大井川宏之所長は「安全確保を大前提に、地元にも理解をいただきながら運転し、学術や産業利用に貢献したい」と話していました。