柏崎刈羽原発では去年9月、社員が別の社員のIDカードを使って中央制御室に入室していた不正をはじめ、安全対策工事の漏れなど様々な不祥事が重なったのを受けて、東電は26日、ことし6月には営業運転に入れたいとしていた計画を見直し、今後の工程を未定としました。
再稼働には県など地元の同意がまず必要なので、6月に営業運転に入れたいというのは東電の一方的な希望に過ぎなかったのでした。
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東電 柏崎刈羽原発7号機 “6月 営業運転の計画”見直し
NHK NEWS WEB 2021年2月26日
新潟県にある柏崎刈羽原子力発電所7号機について、東京電力は原子炉を冷却する設備の一部の安全対策工事が終了していなかったと発表し、工事完了と検査の合格を前提にことし6月には営業運転に入れるとしていた計画を見直し、今後の工程を未定としました。
東京電力は、再稼働を目指している7号機で安全対策工事を進めていますが、事故があった場合に、原子炉を冷却する重要設備の地下にある配管の水漏れ対策が終わっていなかったと発表しました。
東京電力は先月、いったん安全対策工事を完了したと発表したもののその後、消火設備の工事漏れなどミスが相次いで判明、工事を再開するとともに総点検を行っていました。
こうした問題を受けて、東京電力は26日、安全対策工事の完了と原子力規制委員会の検査合格を前提に、ことし6月には営業運転に入れるとしていた計画を見直し、今後の工程を未定としました。
柏崎刈羽原発ではこのほかにも去年9月、社員が別の社員のIDカードを使って中央制御室に入室していた不正も明らかになり、規制委員会から報告を求められています。
7号機の再稼働には地元自治体の同意も必要で、再稼働ができるかどうかの具体的な見通しは立っていません。
東京電力はミスを陳謝したうえで、「工事の設計側と実施側の情報共有が問題だったと考えています。総点検を丁寧に実施し、結果は改めてお知らせして参ります」と話しています。