2026年7月23日木曜日

東海第2原発 見えぬ再稼働 避難計画5市町未策定 安全対策工事難航

 原電 東海第2原発が2011年の東日本大震災で運転停止してから15年余りが過ぎました。18年に原子力規制委員会の安全審査に「合格」し、最長20年の運転延長も認可されましたが、重大事故に備えた広域避難計画は策定途上で、安全対策工事も難航するなど、再稼働の見通しは立っていません。
 避難計画は県内14市町村が対象で、人口の多い水戸市やひたちなか市など5市町は未策定のままです。未策定の要因の一つが避難所の確保で、福島、群馬、栃木、埼玉、千葉の周辺5県と調整を続けていますが、完了のめどは立っていません。
 再稼働の前提となる安全対策工事も、規制委の審査で、原電は施工方法について、基礎部分の内側を補強する当初計画から、外側に鋼管くいを打ち込むなどして強度を高める計画に変更し、現在も審査が行われている状態です。
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東海第2原発 見えぬ再稼働 避難計画5市町未策定 安全対策工事難航
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日本原子力発電(原電)東海第2原発(茨城県東海村白方)が2011年の東日本大震災で運転停止してから15年余りが過ぎた18年に原子力規制委員会の安全審査に「合格」し、最長20年の運転延長(60年運転)も認可された。ただ、重大事故に備えた広域避難計画は策定途上で、安全対策工事も難航するなど、再稼働の見通しは立っていない。
避難計画は原発から30キロ圏の市町村に策定義務がある。県内は14市町村が対象で、立地する東海村や日立市、常陸太田市など9市町村は策定したが、人口の多い水戸市やひたちなか市など5市町は未策定のままだ。
未策定の要因の一つが避難所の確保だ。県は23年1月、県地域防災計画を改定し、感染症対策として避難所1人当たりの面積を「2平方メートル以上」から「3平方メートル以上」へと拡大した。このため、30キロ圏の人口約91万6000人のうち、約7万2000人分が不足しており、福島、群馬、栃木、埼玉、千葉の周辺5県と調整を続けている。県原子力安全対策課は「避難所の確保を進めているが、完了のめどは立っていない」としている。
避難計画の実効性を確認するため、県が設置した有識者による検証委員会では住民への情報伝達や避難時間の短縮策など計5項目の検証作業が続く

再稼働の前提となる安全対策工事も、予定していた今年12月の完了は困難な状況だ。防潮堤の基礎部分の工事で23年6月、コンクリートが複数箇所で充塡(じゅうてん)されず、鉄筋の変形も確認された。規制委の審査で、原電は施工方法について、基礎部分の内側を補強する当初計画から、外側に鋼管くいを打ち込むなどして強度を高める計画に変更し、現在も審査が行われている
原電の村松衛社長は5月の会見で、年内の完成予定に関して「非常に厳しい」と延期の可能性を示唆。「まずは(規制委の)審査に全力を尽くす」と述べ、審査の進捗(しんちょく)を見て新たな工程を示すとしている。

再稼働には同村と周辺5市にも拡大された「実質的事前了解権」を持つ首長の同意を得る必要がある。同村の山田修村長は昨年6月、条件付きで再稼働を容認する方針を示したが、他の市長は実効性ある避難計画策定や住民の意見を踏まえて判断するなどとして、態度を明らかにしていない。

事故を起こした東京電力福島第1原発と同じ沸騰水型炉を巡っては、24年に東北電力女川原発2号機(宮城県)と中国電力島根原発2号機(島根県)、今年1月には東電柏崎刈羽原発6号機(新潟県)が再稼働した。東海第2が「後続候補」とも目される一方、住民が運転差し止めを求めた訴訟で水戸地裁は21年、運転を認めない判決を出しており、現在も東京高裁で審理が続いている。