2016年8月6日土曜日

新潟知事選に長岡市長出馬へ 原発前向き派が支援

 秋の新潟県知事選に4選を目指して立候補する泉田知事に対抗して、森民夫・長岡市長立候補する意向を固めました。柏崎刈羽原発再稼働に前向きな勢力が森氏を支援していると言われています
 泉田知事は別に脱原発派を標ぼうしてはいませんが、事実上、柏崎刈羽原発再稼働を一貫して阻止して来ました。
 秋の知事選は、再稼働阻止派と推進派の争いになります。
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新潟知事選に長岡市長出馬へ 原発前向き派支援
読売新聞 2016年08月05日
 9月29日告示・10月16日投開票の新潟県知事選に向けて、全国市長会長の森民夫・長岡市長(67)は立候補する意向を固めた。
 東京電力柏崎刈羽原子力発電所の再稼働に前向きな一部の県議から支援を受ける。
 原発再稼働に慎重な泉田裕彦知事(53)が4選を目指して出馬表明しており、知事選では、原発政策をめぐるスタンスの違いが対立構図に影響する可能性がある。
 森氏は旧建設省を経て、1999年の長岡市長選に無所属で初当選。現在、5期目。2009年から全国市長会長を務めている。

06- 危険な原発に頼り続ける異常

主張老朽延長も新設も/危険な原発に頼り続ける異常  
しんぶん赤旗 2016年8月5日
 運転開始から40年たった老朽原発の運転を延長する、地震への不安が高まる中、電力が不足しているわけでもないのに原発を再稼働する、住民の反対で進まない原発新設の企てに固執し続ける―。危険な原発依存を拡大する、異常な動きが相次いでいます。東京電力福島第1原発の重大事故から5年半近く、事故収束の見通しは立たず、住民の避難も続いているのに、原発に回帰しようとする動きは、住民・国民の不安を逆なでするものです。老朽原発の運転延長や停止中の原発の再稼働、新増設などの動きは直ちに中止すべきです。
 
ルール空洞化の運転延長
 なかでも原子力規制委員会が、原発の運転は開始から40年と法律に明記されたのを踏みにじって、6月に運転延長を認めた関西電力高浜原発1、2号機(福井県)に続き、11月末に運転開始から40年を迎える美浜原発3号機(同)についても、基準に「適合」するとの審査書案をまとめ、延長を認めようとしているのは重大です。
 確かに法律では「例外」として1度に限り最長20年の運転延長を認めていますが、原子力規制委が立て続けに運転延長の手続きを進めているのは、例外を例外でなくし、運転期間の制限そのものを骨抜きにするルール破壊の企てです。
 
 原発の運転を開始から40年と制限したのは、老朽化した原発では機器の老朽化や原子炉の壁が放射線にさらされることなどで事故が起きやすくなるためです。原子力規制委は運転延長に耐えられるか審査することになっていますが、新たな対策には費用も時間もかかるからと、ケーブルなどの交換は間に合わせで済ませ、重要設備の耐震性などの確認は先送りしたまま「適合」と判断しています。文字通り最初に運転延長ありきで、住民の安全は二の次、三の次といった不当な態度です。
 
 1、2号機で運転延長が認められた高浜原発では、先に3、4号機で再稼働が認められましたが、原子力規制委の審査は不十分すぎるとの裁判所の判断で運転が停止され、再開の見通しが立っていません。にもかかわらず運転延長の手続きを進めるのは、司法の判断さえないがしろにするものです。
 安倍政権は原発を「重要なベースロード電源」にするとのエネルギー基本計画を立て、原子力規制委が「適合」と判断した原発は再稼働させると、原発依存を推進してきました。しかも、2030年度に電力の20~22%を原発で賄うためには、再稼働だけでなく、運転延長や新増設も不可欠だとしています。原発依存の拡大をやめさせるためには、安倍政権の暴走を阻止することが不可欠です。
 
原発の再稼働は必要ない
 今年春以降九州地方を襲った連続的な地震の延長線上にある四国電力伊方原発(愛媛県)の危険性が高まっているといわれるのに、規制委が認めたからと3号機を8月にも再稼働させようとしているのは危険です。住民が中止を求めるのは当然です。中国電力上関原発(山口県)建設のための埋め立て工事許可を山口県が延長したのも住民の意思に逆らうものです。
 
 いま国内で運転しているのは九州電力川内原発1、2号機(鹿児島県)だけですが電力は足りています。再稼働も運転延長も新増設もやめ、原発依存を断ち切ることこそ、国民の不安解消に必要です。

2016年8月5日金曜日

美浜3号運転延長 近隣原発の同時被災は考慮せず

 美浜3号機の運転延長は、原子炉や原子炉格納容器が強度が持つのかという根本問題がクリアにされない中で認められました。なぜ全てのデータを明らかにして識者の判断に委ねようとしないのでしょうか。
 
 美浜原発は若狭湾に突き出した半島のほぼ先端部にあり、隣にはもんじゅ、さらにその先には原電敦賀原発が、全体で10キロに満たない(ほぼ)直線上に並んでいます。従って美浜原発が地震に見舞われたときには他の原発も同時に見舞われる可能性は大きいのですが、中日新聞が調べたところによると、それらの原発が同時被災したケースに(於ける対応に)ついては検討していないということです。
 これは労を惜しむということではなく、事態が紛糾するようなことはできるだけ避けたいという逃げの姿勢によるもので看過できません。
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稼働40年、美浜3号機「適合」 近隣同時被災を検討されず
中日新聞  2016年8月4日 
 原子力規制委員会は三日、十一月末に運転開始から四十年となる関西電力美浜原発3号機(福井県)について、耐震補強や火災対策などを進めれば新規制基準に適合すると判断した。ただし、最低限の基準をクリアしたにすぎず、同じ半島先端部には、事業者の異なる原発三つが集中立地する。その特異なリスクは十分検討されなかった。
 
 老朽原発の適合判断は、関電高浜原発1、2号機(同県)に続き三基目。十一月末までに老朽対策も含めた審査を終えないと、廃炉となるため、規制委は期限を強く意識しながら審査を進めてきた。
 
 立地する敦賀半島周辺には多くの活断層があり、審査の過程で、想定する地震動は七五〇ガルから九九三ガルに引き上げられた。関電は原子炉内の部品を取り換え、外海に面した敷地には約十メートルの津波に耐えられるよう防潮堤を新設。今後、千キロに及ぶケーブルを防火シートで覆うなどして難燃化を進め、内海側の敷地も防潮堤で囲う。四年近い年月と千六百五十億円をかける対策を進めることで、適合判断にこぎつけた。
 
 一方、規制委の前委員長代理の島崎邦彦東大名誉教授から、現在の評価手法では、少なくとも関電大飯原発(同県)は地震動が過小評価されている可能性が高いと指摘があった。しかし規制委は「別の手法に変えるだけの根拠がない」などとして、見直しの議論を打ち切った。
 
 新基準を満たせば、支援がなくても既存の要員と資材だけで事故拡大は防げるとされる。だが、美浜3号機がある敦賀半島の先端部には、相次ぐ点検漏れ問題を引き起こした日本原子力研究開発機構の高速増殖原型炉「もんじゅ」や、直下の活断層問題を抱える日本原子力発電敦賀原発2号機があり、三原発は十キロ圏にある。同時被災し、互いに悪影響を与え事故収束を困難にする恐れもあるが、審査は単体での評価にとどまった。

05- 伊方原発3号機 12日にも再稼働

愛媛 伊方原発3号機 12日にも再稼働で最終調整
NHK NEWS WEB 2016年8月4日
検査中のトラブルで再稼働が遅れている愛媛県にある伊方原子力発電所3号機について、四国電力は日程を検討した結果、今月12日にも再稼働させる方向で、国など関係機関と最終的な調整に入りました。
伊方原発3号機は、ことし4月から再稼働に向けた国の検査を受けていて、四国電力は当初、先月下旬に再稼働させる計画を示していました。
しかし、最終段階の準備が進められていた先月17日、原子炉の冷却水を循環させるポンプで、洗浄用の水が漏れ出すトラブルがあり、再稼働は当初の計画から遅れています。
四国電力によりますと、トラブルのあったポンプは部品の交換などが終了し、正常に運転できることが確認できたということです。
 
関係者によりますと、その後の国の検査も予定どおり進んでいるということで、四国電力は日程を検討した結果、今月12日にも3号機の原子炉を起動して再稼働させる方向で、原子力規制庁や愛媛県など関係機関と最終的な調整に入りました。
伊方原発3号機が再稼働すると、新しい規制基準のもとでは、九州電力の川内原発と関西電力の高浜原発に次いで3か所目となりますが、高浜原発は裁判所から運転停止を命じる仮処分の決定を受けて現在は停止しています。

2016年8月4日木曜日

食品放射能基準は「根拠がない」と規制委の田中氏

 原子力規制委の田中俊一委員長は3日の定例記者会見で、食品の放射基準値が放射性セシウムで1キロ当たり100ベクレル以下などと規制されていることについて、「私の知る限りでは科学的根拠があるとは思えない」と述べました
 彼の言う意味は基準値の100ベクレルが低すぎるということなのですが、これは「国際的な指標を踏まえ、食品からの被ばく線量上限を年1ミリシーベルトにした場合の値」ということで定められたものです。そしてこの値は「内部被ばく」の恐ろしさに対応していないと、かねてから高すぎることが批判されてきたものです。
 田中氏はいまウクライナやベラルーシで、特に児童のなかに深刻な健康被害が出ていることを、一体どう見ているのでしょうか。
 
 彼はかつて自主避難者たちのことを「勝手に避難してきた人たちなので、国は支援する必要はない」とも放言しました。「私のような人たちから見ると日本は変な国だ(田中氏)ではなく「田中氏(こそ)は変な人だ」と呼ばれるべきであって、こういう人間が枢要であるべき規制委のトップにいるというのは恐ろしいことです。
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食品放射能基準「根拠ない」田中委員長が批判 規制委
時事通信 2016年8月3日
 原子力規制委員会の田中俊一委員長は3日の定例記者会見で、食品の放射性物質濃度基準値が放射性セシウムで1キロ当たり100ベクレル以下などと規制されていることについて、「私の知る限りでは科学的根拠があるとは思えない」と述べた。
 食品や飲料水の基準値は東京電力福島第1原発事故を受け、2012年4月に厳格化された。それまでは野菜や穀類、肉などは同500ベクレル以下などとされていた。
 田中委員長は「あの基準になったことで、風評被害や出荷制限で大変な思いをしている」と述べ、福島県の農業生産者らの苦労を強調した。
 チェルノブイリ原発事故後の欧州の食品基準にも言及し、「コントロールできるようになったから(基準値を)低くしている。そういうのが本来の姿だ」と指摘。「私のような人たちから見ると日本は変な国だ」と批判した。 
 厚生労働省は現行基準について「国際的な指標を踏まえ、食品からの被ばく線量上限を年1ミリシーベルトにした場合の値。長期的な健康への影響も含めて判断している」と説明。食品安全委員会事務局も「専門家が科学的見地から取りまとめた」としている

もんじゅ 今度は燃料プール水質悪化を半年放置

 高速増殖炉「もんじゅ」で昨年11月に使用済み燃料プールの水質が悪化したのに手順書通りに浄化フィルターの吸着樹脂(イオン交換樹脂?)を交換しないまま今年5月まで経過したことが3日分かりました
 この間燃料プールの清掃を行ったということですが、そんなことで改善するほどラフな警報レベルに設定している筈がありません。
 もんじゅは維持管理に日額5500万円も投じているというのに、もしも規定で定められているイオン交換樹脂の費用を惜しんだというのであれば、全く理解のできないことです。
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燃料プール水質、半年改善せず もんじゅ警報継続 規制委
時事通信 2016年8月3日
 日本原子力研究開発機構の高速増殖炉「もんじゅ」(福井県敦賀市)で昨年11月に使用済み燃料プールの水質が悪化し、今年5月まで改善していなかったことが3日分かった。
 この間、約半年にわたって警報が作動。プールの浄化フィルターには必要な樹脂が入っていなかった。原子力規制委員会は同日、保安規定に違反すると判断した。
 
 規制委の田中俊一委員長は「安全文化が欠如している証拠だ。どう言っていいか分からないくらいの深刻な問題を示している」と述べた。
 規制委と原子力機構によると、昨年11月19日未明、使用済み燃料2体を保管するプールの水質悪化を知らせる警報が鳴った。不純物濃度の上昇傾向が緩やかだったため、担当者は手順書で定められた責任者への連絡をすぐにしなかった。
 手順書は警報が鳴った場合、浄化フィルターの吸着樹脂を交換するよう定めていたが、原子力機構は2011年以降、樹脂を入れていなかった。担当課長は使用済みの樹脂を保管する施設が使用できない状態だったことなどから、樹脂を使わず水質監視を継続。不純物濃度が上昇し、昨年12月に所長に報告した。
 所長は水質改善に向けた計画作成を指示。プールを清掃したが水質は警報値を下回らず、今年4月に「不適合事象」と判断し、規制委に報告した。5月下旬に樹脂を入れ、警報は止まった

04- 美浜3号原発 40年超延長へ

 かねてから予告されていたとおり、原子力規制委は3日、運開から40年となる美浜原発3号機について、新規制基準に適合するとの審査書案を了承しました。老朽原発40年超運転(60年以下)は、関電高浜原発1、2号機に続く3基目の合格です。運転期間を40年に制限する原子炉等規制法の原則に例外がまた一つ加わることになりますが、原子炉(圧力容器)の経年劣化と今後の予測の資料などは公開されていません。
 
 規制委は、審査合格に対する意見公募を82日まで行う予定ですが、これは極めて形式的なもので、これまで審査が覆ったり回答が行われたりしたことはありません。
       (関係記事)
7月27日 老朽原発 美浜原発3号機 も合格 20年延長へ
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規制委、美浜3号機に新基準「適合」 運転40年超で3基目
東京新聞 2016年8月3日
 原子力規制委員会は三日、十一月末に運転開始から四十年となる関西電力美浜原発3号機(福井県)について、耐震対策などを進めれば新規制基準に適合するとの審査書案を了承した。老朽原発では、関電高浜原発1、2号機(同県)に続く三基目の判断。運転期間を四十年に制限する原子炉等規制法の原則に例外がまた一つ加わる。ただ、工事には四年近くかかり、再稼働は工事完了後となる。
 
 この日の定例会合では、事務局への質問が若干出ただけで、特に審査書案への異論は出ず、議論は約十三分で終わった。
 規制委は、審査書案に対する意見を四日から来月二日まで公募。集まった意見を踏まえ、正式に判断する。3号機は運転期間が終わる十一月三十日までに具体的な対策工事の計画認可を得るほか、老朽化対策の審査にも通過しなければ廃炉が決まる。
 関電は二〇一五年三月、美浜3号機の審査を申請。審査の過程で耐震設計の目安となる地震の揺れを当初の七五〇ガルから九九三ガルに引き上げた。これに伴う設計変更に時間がかかり、昨秋には規制委が期限内に審査が終わらない可能性を指摘したが、関電は今年五月に補正書の提出にこぎ着けた。
 
 耐震化などの工事費は千六百五十億円。原子炉内の部品を取り換え、使用済み核燃料を保管するラックも床や壁に固定せずに揺れを逃す方式に変える。既にある防潮堤よりも内陸側に高さ六メートル、長さ四百メートルの防潮堤を新設。重大事故時に作業員の拠点となる「緊急時対策所」なども新設する。
 千キロに及ぶケーブルを防火シートで覆ったり、燃えにくい素材に替えたりする必要もあり、工事は二〇年三月までかかる予定。地元同意の手続きもあり、再稼働はさらに先となる。
 
 原子炉等規制法は原発の運転期間を原則四十年と制限しているが、規制委が認めれば一回に限り最大二十年間延長できる。