河北新報に掲載されたいわば福島廃炉工事の3月月報を紹介します。
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<福島廃炉への道>機器ハッチ周辺のがれき撤去可能に
河北新報 2019年4月4日
◎3月1日~31日
6日 東京電力は1号機の使用済み核燃料の取り出しに向けた原子炉建屋最上階のがれき撤去で、1階まで吹き抜けになっている機器ハッチに覆いを付けた。ハッチ周辺のがれきを撤去できるようになった。
7日 3号機の使用済み核燃料の取り出し開始を、当初予定の3月末から4月に延期すると発表した。2月28日の燃料取扱機(FHM)の操作訓練中、モーターの異常を示す警報が出たため。FHMと制御盤をつなぐケーブルの交換で復旧した。接続部に異物が混入していた可能性がある。
8日 足場が落下しているのが見つかった3、4号機共通排気筒を小型無人機ドローンで調査した。15日にも実施し、足場の溶接部分に腐食を確認した。構内に全部で4本ある排気筒の周辺に屋根付きの安全通路を25日までに設置した。
20日 2号機の原子炉格納容器底部で2月13日に実施した溶融核燃料(デブリ)とみられる堆積物の接触調査に関し、底部全体に占める調査範囲の割合を2%から0.5%に訂正した。面積の計算ミスが原因。
22日 2号機で原子炉への注水量を減らす試験を4月2日から実施すると発表した。デブリを冷やす注水が止まった場合の影響をより正確に把握するのが目的。1月の予定をポンプの不具合で延期していた。3月25日から29日にかけ、1、3号機の注水量を増やすなどの準備作業をした。
27日 汚染水を多核種除去設備(ALPS)で処理した水に関し、組み立て型タンクから漏えいリスクがより低い溶接型タンクへの移し替えを終えた。ストロンチウム処理水の移し替えは昨年11月に終えており、廃炉工程表(ロードマップ)で掲げた本年度中の移送完了の目標を達成した。
28日 建屋内の汚染水に含まれる放射性物質の総量を、18年度内に14年度末の10分の1にする廃炉工程表の目標を達成できなかったと明らかにした。東電は「14年度末の放射性物質量を実際より少なく見積もったのが原因」と説明した。