福島県は昨年度、492品目、1万5941点を検査したところ、国の食品の基準の1キロあたり100ベクレルを超えたのは0.04%にあたる6点で、基準を超えたのは、福島市、伊達市、桑折町の阿武隈川水系でとれたイワナ2点とヤマメ3点、北塩原村でとれた野生のたらのめ1点でした。
福島県環境保全農業課は、「安全安心を確保するにはこうしたデータがベースになる。これまでと変わらず検査を徹底するとともに正確に情報発信していきたい」と述べています。
しかし、問題は食品の基準「1キロあたり100ベクレル以下(牛乳は50ベクレル以下)」で、福島原発事故の前には、1キロあたり100ベクレル以上であれば「低レベル放射性廃棄物」として「隔離された場所で厳重保管」を義務づけられていました。
それが原発事故後に、「緊急事態」における暫定的な処置として、急に「1キロあたり8000ベクレル超」のものを「低レベル放射性廃棄物」とすることに変更したのでした。
したがって「1キロあたり100ベクレル以下」なら安全な食品であると、対外的に発表してもそれは到底通用しません。
事故後既に8年以上が経過しているというのに、いまだに「緊急事態」下であるとして上記の基準を維持しているのは極めて不自然です。国民の健康をどう考えているのかということになります。
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放射性物質 基準超の食品は6点
NHK NEWS WEB 2019年4月17日
福島県産の野菜や果物、魚などの放射性物質の検査で、昨年度国の食品の基準を上回ったのはおよそ1万6000点のうち6点でした。基準を超えたのはイワナとヤマメ、たらの芽でした。
福島県は原発事故のあと県内でとれた野菜や果物、魚などの一部で放射性物質の検査を行っています。
昨年度は492品目、1万5941点を検査し、国の食品の基準の1キロあたり100ベクレルを超えたのは0.04%にあたる6点で、10点だった前の年度に比べ、4点減りました。
基準を超えたのは、福島市、伊達市、桑折町の阿武隈川水系でとれたイワナ2点とヤマメ3点、北塩原村でとれた野生のたらのめ1点でした。
基準超えの食品は原発事故の直後に比べ大幅に減少していて、肉類は平成23年度から、野菜や果物は25年度から、コメなどの穀類は27年度から、国の基準値を上回るものは出ていません。
県環境保全農業課は、「安全安心を確保するにはこうしたデータがベースになるので、品目や検体の数も含めてこれまでと変わらず検査を徹底するとともに正確に情報発信していきたい」としています。
基準値超えゼロ「489品目」 福島県産農林水産物の放射性物質
福島民友 2019年4月17日
(福島)県が2018(平成30)年度に実施した県産農林水産物の放射性物質検査で、492品目のうち国による出荷制限が指示されている川魚などを除く489品目の全ての検体が放射性物質の基準値(1キロ当たり食品100ベクレル、牛乳50ベクレル)を下回った。基準値超えゼロは水産物(海産)と穀類が4年連続、水産物(内水面養殖)と野菜・果実、栽培の山菜・きのこ類が6年連続、原乳が7年連続、肉類とはちみつが8年連続。
県が16日、18年度に検査した計1万6708件の集計結果を発表した。基準値を超えたのは北塩原村の野生のタラノメ1点と出荷制限が指示されている福島、伊達、桑折各市町の阿武隈川水系で採取されたイワナとヤマメの5点だった。
県の検査とは別に県漁連が自主的に行っている検査では、1月にコモンカスベから基準値を超える放射性物質が検出されたが、市場には流通しなかった。
県産農林水産物は厳格な検査体制によって安全性が担保されてている一方で、23カ国・地域が輸入規制を続けている。韓国による本県など8県の水産物輸入禁止措置を巡る世界貿易機関(WTO)の上級委員会では日本が逆転敗訴となり、輸入規制が当面継続される見通しとなった。県は「客観的なデータを積み重ね、安全性などを粘り強く発信したい」としている。