去年1年間に廃炉作業に携わり、労働局の調査を受けた290の事業者のうち、全体の53・1%にあたる154の事業者で労働条件や安全衛生に関する法令違反が確認されたということです。違反の件数は315件でした。
福島労働局は、「形式的な違反が多く、違反率の上昇をもって労働環境が悪化したとは考えていない」としています。
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廃炉作業事業所53%が違反
NHK 福島NEWS WEB 2019年4月5日
去年1年間に、東京電力福島第一原子力発電所の廃炉作業に携わった事業者のうち労働環境で法令違反があった事業者が全体の53%にのぼることが福島労働局の調査でわかりました。
福島労働局は、原発事故があった平成23年から廃炉作業に携わっている事業者を対象に、労働環境などについて抜き打ちで調査を行い、結果を公表しています。
それによりますと、去年1年間に廃炉作業に携わり、労働局の調査を受けた290の事業者のうち、全体の53.1%にあたる154の事業者で労働条件や安全衛生に関する法令違反が確認されたということです。
違反が確認された廃炉関連の事業者の割合は平成26年をピークに減り続けていましたが、去年は上昇に転じ、前の年よりも14ポイントあまり高くなりました。
違反の件数は315件で、内訳を見ますと、時間外労働に対して割増賃金を適切に支払っていないなどの労働条件に関する違反が250件、健康診断を実施したのに報告書を提出していないなどの安全衛生に関する違反が65件でした。
福島労働局は、「形式的な違反が多く、違反率の上昇をもって労働環境が悪化したとは考えていない。一方で、法令を順守するための講習会に出席しなかった業者が調査の対象に含まれていることも影響している可能性があるので引き続き講習会への参加を呼びかけたい」と話しています。