東海第二原発が抱える立地上の問題を考える学習会が30日、水戸市内で開かれ、国が1964年に原発立地の基準とした「人口密集地帯からある距離だけ離れていること」などの原子炉立地審査指針から、東海第二原発はかけ離れた実態にあることが講師の茨城大の乾康代教授から指摘されました。
結果的にであるにしても現実にそうなっている以上、東海第二原発を再稼働することは許されない筈です。
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東海第二 立地の不当性指摘 茨大教授「規制骨抜き」
東京新聞 2019年3月31日
東海村の日本原子力発電(原電)東海第二原発が抱える立地上の問題を考える学習会が三十日、水戸市内で開かれた。都市計画の観点から原発立地を研究している茨城大教育学部の乾康代教授(住環境計画)が講師を務め「規制が骨抜きになり、おかしな都市開発が進められた」と、立地の不当性を指摘した。
国は一九六四年、原発立地の基準として「人口密集地帯からある距離だけ離れていること」などと定めた原子炉立地審査指針を策定。しかし、東海第二の先行機に当たる東海原発は指針の五年前に設置許可が下り、周辺にも原子力関連施設や従業員用の団地が続々と造られてしまった。
乾教授は、指針をかいくぐるような開発が当初から進められ、その後も緩衝地帯が設けられないなど規制が骨抜きにされたと批判。結果として、海沿いと常磐道沿いに原発や関連施設が立ち並び、そのはざまに住宅地が広がるというゆがんだ都市ができあがったと示した。
このほか乾教授は、東海村と同じ「原発の村」から脱却し、工業や観光振興で成功を収めたドイツ・ルブミンの事例も紹介した。
勉強会は茨城保健生活協同組合が主催し、約六十人が参加した。(越田普之)