柏崎刈羽原発でテロなどに備える核セキュリティー対策に不備があった問題で、原子力規制委は、対策の不備については社長まで報告する仕組みになっているので、小早川社長が不備を把握していた可能性があるとみて、詳しく調べるということです。
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柏崎刈羽原発核保安不備 東電社長、把握の可能性 規制委が調査
毎日新聞 2021年3月31日
東京電力柏崎刈羽原発(新潟県)でテロなどに備える核セキュリティー対策に不備があった問題で、原子力規制委員会は31日、対策の不備について小早川智明社長まで報告する仕組みになっていたことを明らかにした。規制委は、小早川社長が不備を把握していた可能性があるとみて、詳しく調べる。
規制委によると、同原発では2020年3月から約1年間、敷地内への侵入者を検知する機器16個が故障し、代わりの設備10個も30日以上「誰が見ても非常にお粗末」(更田=ふけた=豊志委員長)な状態だった。それ以前にも検知機器が機能していないことがあり、修復に時間がかかっていた。
こうした状況を受け、規制委は今年3月24日、原子炉等規制法に基づき、同原発の核燃料の移動禁止という商用原発では初めての行政処分をする方針を決めた。
同原発では、核セキュリティー対策の規定に違反するような問題が起きる度に、社長に報告する制度になっている。規制委は今後、東電の担当者が小早川社長にどのような報告をし、小早川社長がどの程度内容を把握していたか、調べていく。
更田委員長は31日の記者会見で「(小早川社長が)認識していたといっても度合いがあるので、一つ一つの事実を押さえていく」と述べた。【塚本恒】