2021年4月16日金曜日

原発汚染水にトリチウム以外の核種が大量に含まれると識者が指摘

 これまでメディアは、汚染水を多核種除去設備「ALPS」で浄化してもトリチウムだけは除去できない(⇒それ以外の核種は除去できる)と報じ、原子力ムラは「トリチウムが放出する放射線は弱い」ことを強調して来ました。

 しかし識者によると、「ALPS」で取り除けないのはトリチウムだけではなく、ヨウ素129、セシウム135、セシウム137など12の核種除去できないということです(トリチウムは原理的にイオン交換方式では除去できません)。しかもその残留濃度は許容値の2万倍というようなレベルなので、トリチウム云々以前の問題で、これを明らかにして来なかったのは許されない隠蔽行為です。
 国は多核種除去設備「ALPS」の具体的仕様を公表していないので詳しいことは分かりませんが、他の核種までも除去できないというのは余程低レベルな除去装置です。
 もしも「ALPS」がイオン交換方式でないのであれば直ぐにそれに交換するか、イオン交換方式の除去設備を増設して、貯留済みの100万トン超の汚染水を循環再処理すべきです。

追記 トリチウムが放出する放射線は弱いという主張は「ガンマー線」が弱いという意味ですが、海洋放出した場合のトリチウムの害悪は、外部照射ではなく魚介類を通じて人間が摂取すると染色体に悪影響が及ぶことです。従って放射能が弱いという主張は的外れです。
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原発汚染水にトリチウム以外の核種…自民原発推進派が指摘
                          日刊ゲンダイ 2021/04/14
 国民の反対を押し切って、東京電力福島第1原発の敷地内に貯蔵されている「汚染水」が、海に捨てられることになった。
 海洋放出する汚染水について、麻生財務相は「飲んでもなんてことはないそうだ」などと安心安全を強調しているが、放射性物質に汚染された水を捨てて本当に大丈夫なのか。

「通常の原発でも海に流している」も誤解を招く恐れ
 専門家が危惧しているのは、トリチウムだけがクローズアップされていることだ。大新聞テレビは、汚染水を多核種除去設備「ALPS」で浄化しても、トリチウムだけは除去できないと報じ、原子力ムラは「トリチウムが放出する放射線は弱い」「自然界にも存在する」「通常の原発でも発生し、基準を満たせば海に流している」と、海洋放出は問題ないと訴えている。
 しかし、大手メディアはほとんど問題にしていないが、「ALPS」で取り除けないのは、トリチウムだけではないという。トリチウム以外にもヨウ素129、セシウム135、セシウム137など、12の核種は除去できないという。
 自民党の「処理水等政策勉強会」の代表世話人・山本拓衆院議員がこう言う。
「断っておきますが、自分は原発推進派です。菅首相も支持しています。ただ、原発処理水に関する報道は、事実と異なることが多いので、国民に事実を伝えるべきだと思っています。東京電力が2020年12月24日に公表した資料によると、処理水を2次処理してもトリチウム以外に12の核種を除去できないことがわかっています。2次処理後も残る核種には、半減期が長いものも多く、ヨウ素129は約1570万年、セシウム135は約230万年、炭素14は約5700年です」
 さらに「通常の原発でも海に流している」という報道も、誤解を招くという。
「ALPS処理水と、通常の原発排水は、まったく違うものです。ALPSでも処理できない核種のうち、11核種は通常の原発排水には含まれない核種です。通常の原発は、燃料棒は被膜に覆われ、冷却水が直接、燃料棒に触れることはありません。でも、福島第1原発は、むき出しの燃料棒に直接触れた水が発生している。処理水に含まれるのは、“事故由来の核種”です」(山本拓議員)
 一度、海に捨てたら取り返しがつかない。