2021年4月9日金曜日

09- 福島原発のトリチウム汚染水 政府来週にも海への放出決定

 福島原発で増え続けるトリチウムなどの放射性物質を含む水の処分方法について、政府は来週にも海への放出を決定する方向で調整しています。

 海洋放出は政府が当初から考えていた方式であるといわれ、現在の場所での汚染水の保管が限度近くなるのを待って、海洋放出を決定するという「結論ありき」のものです。
 これにより福島県の漁業関係者が受ける被害は計り知れません。
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福島第一原発 処理水 来週にも海への放出決定で調整 政府
                     NHK NEWS WEB 2021年4月8日
東京電力福島第一原子力発電所で増え続けるトリチウムなどの放射性物質を含む水の処分方法について、政府は来週にも海への放出を決定する方向で調整しており、風評被害対策に万全を期すほか安全性などの情報発信を強化する方針です。
トリチウムなどを含む水の処分方法をめぐっては去年2月、国の小委員会が基準以下の濃度に薄めて海か大気中に放出する方法が現実的だとする報告書をまとめ政府が処分方法を検討してきましたが、地元などからは懸念の声が出ています。
菅総理大臣は7日、全国漁業協同組合連合会の岸会長と会談し専門家の報告書を踏まえて政府の方針を決定する考えを伝え理解を求めました。
会談のあと岸会長は海への放出に反対する考えに変わりはないとしたうえで「国として最終的に方針を決定した場合には、責任を持って漁業者や国民への説明や風評被害対策などをしてもらいたい」と述べました

政府は来週にも、報告書でより確実に実施できるとしている海への放出を決定する方向で調整しており、地元や周辺国の懸念を払しょくするためにも風評被害対策に万全を期すほか安全性などの情報発信を強化する方針です。

立民 泉政調会長 “放出は慎重に判断すべき”
東京電力福島第一原子力発電所の放射性物質を含む水の処分をめぐり、政府が海への放出を決定する方向で調整していることについて、立憲民主党の泉政務調査会長は、ほかの手段も検討し、放出は慎重に判断すべきだという認識を示しました。
東京電力福島第一原子力発電所で増え続けるトリチウムなどの放射性物質を含む水の処分方法をめぐって、政府は、来週にも、海への放出を決定する方向で調整しています。
これについて、立憲民主党の泉政務調査会長は、記者会見で「現時点では、汚染水をためるスペースに若干の余裕があり、隣接の自治体も含め、用地を確保することなども可能だと考えている」と述べました。
そのうえで「まずは、私たちが指摘したことに優先して取り組むべきではないか」と述べ、ほかの手段も検討し、放出は慎重に判断すべきだという認識を示しました。

共産 志位委員長「絶対に反対 放出を強行するなと強く求めたい」
共産党の志位委員長は、記者会見で「東北の沿岸漁業は、今も残る東日本大震災による痛手に大不漁と新型コロナが加わり、3重苦の状況にある。そうした中で海洋放出を行うのは言語道断というのが現場の声だ。私たちも、絶対に反対の立場で、放出を強行するなと政府に強く求めたい」と述べました。


首相、海洋放出「近日中に判断」 原発処理水、全漁連会長は反対
                              共同通信 2021/4/7
 東京電力福島第1原発の処理水を巡り、菅義偉首相は7日、全国漁業協同組合連合会(全漁連)の岸宏会長と官邸で面会し、放出決定への理解を求めた。岸氏は改めて反対を伝達。菅首相は会談後、記者団に「近日中に判断したい」と述べた。政府は会談内容を踏まえ、13日にも関係閣僚会議を開く方向で調整している。
 菅首相は、海洋放出に対し地元で強い反対があると記者団に質問され「福島県には、そういう意見が多いと認識している」と答えた。
 岸氏によると、菅首相は面会で、処理水に関し「海洋放出が確実な方法であるという専門家の提言を踏まえ、政府の方針を決定していきたい」と話したという。


原発処理水で首相「避けて通れない課題、近日中に判断」
                          読売新聞 2021年4月7日
 東京電力福島第一原子力発電所の放射性物質を含んだ「処理水」の処分を巡り、政府は13日にも関係閣僚会議を開き、海洋放出する方針を決める。
 閣僚会議を前に、菅首相は7日、全国漁業協同組合連合会の岸宏会長と会談した。菅首相は会談後、記者団に「福島復興で、(処理水の)処分は避けて通れない課題だ。近日中に判断したい」と述べた。
 会談には、梶山経済産業相や福島県など地域の漁協代表者も同席した。首相が処分に向けて協力を要請したのに対し、岸会長らは政府が検討している海洋放出に強い懸念を示したという。
 岸会長は会談後、記者団に「(海洋放出には)絶対反対との考えはいささかも変わらない」と述べた一方で、処分する場合には国が安全確保や風評被害対策を講じるよう求めた。