内堀雅雄・福島県知事は26日の定例記者会見で、トリチウム水の海洋放出方針を決定した政府について、「大事なのは決意と覚悟を形に、成果に、結果にすることだ。それがなければ、福島県に非常に重い負担になる」と国が責任を持って具体策を講じるよう訴えました。
また「一般的な原発から放出されるトリチウム水と本質的に同じで、人体への大きな影響はないとの理解が国内外で浸透しているとは到底思えない」との認識を示しました。
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風評対策「結果で示せ」 知事、国に具体策求める 処理水海洋放出方針
福島民報 2021/04/27
東京電力福島第一原発で増え続ける放射性物質トリチウムを含んだ処理水を巡り、内堀雅雄知事は二十六日の定例記者会見で、海洋放出方針を決定した政府について、福島県の産業への影響を与えないための万全の風評対策などを結果で示すべきだと指摘した。
内堀知事は風評対策を含めた処理水処分の基本方針について「(菅義偉首相ら関係閣僚が)国を挙げて必ずやるとの決意と覚悟を示した点は評価している」とした。その上で、「大事なのは決意と覚悟を形に、成果に、結果にすることだ。それがなければ、福島県に非常に重い負担になる」と国が責任を持って具体策を講じるよう訴えた。
また、内堀知事は処理水への理解の現状について「一般的な原発から放出されるトリチウム水と本質的に同じで、人体への大きな影響はないとの理解が国内外で浸透しているとは到底思えない」との認識を示した。
こうした状況を踏まえ、政府が真っ先に取り組むべき対応として、一人一人の漁師に政府方針の考え方を丁寧に説明するなど関係者の理解を得る取り組みを挙げた。さらに、福島第一原発の全体の廃炉工程の中で海洋放出方針が決まった理由の正確な情報を国内外に発信すべきだとした。