2021年4月14日水曜日

トリチウム汚染水の海洋放出に対し、海外からも批判

 日本政府のトリチウム汚染水を海洋放出する方針に海外からも批判の声が上がっています。

 七つの記事を紹介します。
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原発処理水放出「深刻な懸念」 ロシア
                          時事通信 2021年4月14日
【モスクワ時事】ロシア外務省のザハロワ情報局長は13日の声明で、日本政府が原発処理水の海洋放出の方針を決定したことについて、「日本は残念ながらロシアを含む隣国と協議する必要があるとは考えなかった」と批判し、「深刻な懸念」を表明した。

原発処理水の海洋放出を決定した日本、なぜ「独断専行」?—中国メディア
                       Record China 2021年4月13日
日本政府は13日に閣議を開催し、東京電力福島第一原子力発電所で増え続ける汚染水を海洋に放出することを決定した。日本政府は13日に閣議を開催し、東京電力福島第一原子力発電所で増え続ける汚染処理水を海洋に放出することを決定した。中国新聞網が伝えた。
東日本大震災からすでに10年たったが、福島第一原発の汚染水問題は今なお解決されていない。長年にわたり、日本はずっと汚染水の海洋放出を検討してきた。さまざまな「内憂外患」に直面し、抗議の声が湧き上がっているにもかかわらず、日本は「独断専行」して汚染処理水を海に放出しようとしている
外交学院国際関係研究所の周永生(ジョウ・ヨンション)教授は、「日本がこのようにするのには、主に3つの原因がある。第1に、現在は多くの国の人々の反対やメディアの反対などはあるものの、法律のレベルにまで達した事例がない。そのため目下の反対の声はある種の『弱い反対』であり、強制力を持っていない」と指摘した。
周氏は続けて、「第2に、日本の行動に対して、現在は主に周辺の東アジア諸国が反対しているだけで、欧米諸国の反対の声はそれほど大きくない」と指摘した。中国社会科学院日本研究所の呂耀東(リュー・ヤオドン)研究員もこのことについて、「米国などの西側諸国が先に立って日本を糾弾しない状況の中、日本はやはり独断専行するだろう。この前、韓国が非常に強く反対してはいるが、日本はまったく意に介していない」との見方を示した。
周氏はさらに踏み込んで、「第3の原因は、日本が国際原子力機関(IAEA)において大きな勢力を持っていることだ。日本政府が派遣した職員が長きにわたり事務局長を勤め、日本は大きな影響力を持っている。そのため、IAEAには日本に加担する傾向がある」と指摘した。
このほか、放射性廃棄物を放置する場所が計画では不足しているため、日本は100万トンを超える原発汚染水を処理できないということもある。このまま汚染水が増加を続ければ、日本は一方では安全が脅かされ、もう一方ではコストが上昇を続け、深刻な経済的負担、社会的負担、安全リスクの負担にもなる。
「日本は貯蔵量を増やせば原発汚染水の問題を解決できる」との見方を示した人もいる。しかし現在の状況を見ると、日本政府は最も経済的かつ最も実質的な恩恵があり、さらに自国にとって最も負担の少ない方法である海洋への直接放出というやり方を選ぼうとしている。
               (提供/人民網日本語版・編集/KS)

処理水、中韓や台湾が非難や懸念 米は海洋放出に一定理解
                             共同通信 2021/4/13
 【ソウル、北京、台北共同】中国、韓国や台湾の政府や当局は13日、日本政府が東京電力福島第1原発の処理水を海洋放出する方針を正式決定したことについて「断固反対」「極めて無責任」などと批判した。一方、米国務省は12日の声明で「国際的に容認された原子力の安全基準に合致するとみられる方法を採用した」とし、一定の理解を示した。
 中国外務省は「極めて無責任で、周辺国の国民の利益を損なう」と非難する談話を発表。韓国政府の具潤哲国務調整室長は「周辺国の理解と同意のない決定だ。断固反対する」と批判した。
 台湾の原子力委員会も「反対と遺憾」を表明した。

韓国外務省、処理水放出に「深刻な憂慮」 協議なしの決定「受け入れ難い」
                         時事通信 2021年04月12日
【ソウル時事】韓国外務省は12日、日本政府が13日に東京電力福島第1原発の処理水の海洋放出を正式決定することについて、報道官の論評を出し、「わが国民の安全と周辺環境に直接・間接の影響を及ぼしかねないという点で深刻な憂慮を表明する」と訴えた。
 論評は「これまで日本に対し透明な情報公開と周辺国との協議を通じて決定することを強調してきた。十分な協議なしに決定することになれば、受け入れ難い」と主張。国民の安全対策として放射能の測定やモニタリングを強化する方針を示すとともに、「日本側の決定と関連手続きの過程を引き続き鋭意注視し、国際原子力機関(IAEA)など国際社会との協力を強化して対応する」と強調した。

海洋放出、韓国が日本大使に抗議 広まる反発、沿岸自治体も
                             共同通信 2021/4/13
 【ソウル共同】韓国外務省は13日、日本政府が東京電力福島第1原発の処理水を海洋放出する方針を正式決定したことについて、相星孝一駐韓大使を呼んで抗議した。韓国では具潤哲国務調整室長が「断固反対する」と表明したほか、沿岸部の自治体でも反発が広まっている
 南西部の全羅南道は海洋放出した場合、日本の水産物の全面的な輸入中断を韓国政府に要請すると発表した。南部の済州特別自治道は、釜山市などと海洋放出を阻止するための対策委員会を発足させ、国際海洋法裁判所への提訴などの法的措置も検討するとしている。

原発処理水の海洋放出「透明性が重要」 EU
                         時事通信 2021年4月13日
【ブリュッセル時事】欧州連合(EU)欧州委員会の報道官は13日の記者会見で、日本政府が原発処理水の海洋放出の方針を決定したことに関し「手続きにおいて完全な透明性が提供されることが重要だ」と強調した。
 日本政府に対し「国内や国際的な義務を果たし、十分な安全を確保することを期待する」とも表明。海洋放出が適切に行われるよう状況を注視していく方針を示した。

海放出、太平洋の島国も「懸念」 原発処理水、延期を要求
                             共同通信 2021/4/13
 【シドニー共同】太平洋の島しょ国で構成するオセアニア地域の協力機構、太平洋諸島フォーラム(PIF)のテイラー事務局長は13日、日本政府が東京電力福島第1原発の処理水の海洋放出を決めたことについて「深い懸念」を表明し、独立した専門家が再検討するまで放出を延期するよう求める声明を発表した。
 太平洋の島国はフランスなど大国の核実験により大きな影響を受けてきた。このためPIFの前身組織の加盟国が1985年、南太平洋非核地帯条約(ラロトンガ条約)に署名し、域内での核実験や核兵器の持ち込み、放射性廃棄物の海洋投棄などを禁止し、核の締め出しを図った経緯がある。