柏崎刈羽原発の安全性について地元住民が議論する「原発の透明性を確保する地域の会」は14日、任期2年の総括として、同原発でテロなどを防ぐ核物質防護体制の不備が相次いだ東電や国、自治体に対する要望書をまとめ、東電や各機関の担当者に提出しました。
東電に対しては、一連の不祥事について「当会にとっても大きな失望であり、18年間の議論の中で積み上げてきた信頼関係が崩れかねない」と指摘し、抜本的な体質改善を強く求めました。
国に対しては原発事業者への規制強化や、高レベル放射性廃棄物の最終処分の見通しを示すよう注文し、県と柏崎市、刈羽村には、核セキュリティーに関する問題が発生した際に法令の範囲で情報を得られるよう、東電と結ぶ安全協定を見直すことを求めました。
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東電の不祥事 大きな失望 柏崎刈羽原発「地域の会」 改善求め要望書
新潟日報 2021/04/16
東京電力柏崎刈羽原発の安全性について地元住民が議論する「原発の透明性を確保する地域の会」は14日、現委員による最後の定例会を新潟県柏崎市荒浜1の柏崎原子力広報センターで開いた。任期2年の総括として、同原発でテロなどを防ぐ核物質防護体制の不備が相次いだ東電や国、自治体に対する要望書をまとめ、東電や各機関の担当者に提出した。
地域の会は、2002年に東電のトラブル隠しが発覚したことを受け、翌03年に発足した。原発推進、反対、中立のさまざまな立場の住民が同じテーブルで原発問題を議論する、全国でも例がない取り組みだ。
任期は2年。現在の18人の第9期委員は4月末で任期満了となる。期末ごとに、委員の総意として要望書や意見書を作成している。
今回は「原発の安全性を一層高めるための要望書」と題し、東電の小早川智明社長や梶山弘志経済産業相、花角英世知事ら計9人に宛てて出した。5月末までの文書回答を求めている。
東電に対しては、一連の不祥事について「当会にとっても大きな失望であり、18年間の議論の中で積み上げてきた信頼関係が崩れかねない」と指摘。抜本的な体質改善を強く求めた。
国に対しては原発事業者への規制強化や、高レベル放射性廃棄物の最終処分の見通しを示すよう注文。県と柏崎市、刈羽村には、核セキュリティーに関する問題が発生した際に法令の範囲で情報を得られるよう、東電と結ぶ安全協定を見直すことを求めた。
定例会では、政府が東電福島第1原発の処理水を海洋放出する方針を決めたことなどに対する質問が出た。後半では今期でそれぞれ退任する桑原保芳会長、石坂泰男、髙桑千恵の両副会長をはじめ、委員一人一人が第9期を振り返り、所感を述べた。