2021年4月19日月曜日

東電社長 原発汚染水処分で「関係者の理解が前提」と

 政府が18日開いた地元説明会で東電の小早川社長は15年に福島県漁業協同組合連合会と交わした「関係者の理解なしにはいかなる処分も行わない」との約束を順守すると表明しました。

 東電は、これまで汚水タンクの増設の余地がないなどと、一貫して海洋放出以外の可能性を潰そうとしてきました。それなのに政府が既に海洋放出を決めた段階で、関係者の理解なしには放出しないと表明されても、どう理解すればいいのか分かりません。
 一方、政府の担当者「順守」という言葉は使わず、「より理解を深めるために、さまざまな形で説明したい」と述べるにとどめました。
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漁業者理解、重い課題 東電社長、約束順守明言 原発処理水
                         時事通信 2021年4月18日
 東京電力福島第1原発から出る放射性物質トリチウムを含む処理水をめぐり、東京電力ホールディングスの小早川智明社長は18日、2015年に福島県漁業協同組合連合会と交わした「関係者の理解なしにはいかなる処分も行わない」との約束を順守すると表明した。政府は2年後をめどに処理水を海洋放出する方針を決定しており、漁業者らの理解を得ることが重い課題となる。
 政府が18日開いた地元説明会で、一貫して海洋放出に反対する県漁連の野崎哲会長は、「(約束について)ご説明いただけなければ、(政府の)基本方針の信頼性は担保されない」と批判した。これに対し、小早川社長は「しっかりと順守してまいりたい」と発言。「風評対策などの懸念について、汗をかいて努力し、一人でも多くの関係者から信頼を得られるようにする」と語った。
 一方、政府の担当者は「順守」という言葉は使わず、「より理解を深めるために、さまざまな形で説明したい」と述べるにとどめた。江島潔経済産業副大臣は説明会後、「約束を果たしていきたいという思いに全く変わりはない」と強調した。
 約束は、東電が同原発の汚染水発生を抑制するため、敷地内の地下水を浄化して放出することを県漁連に容認させたことをきっかけに、15年に県漁連と国、東電それぞれの間で結ばれた。