中国南部広東省にある台山原発は、フランスの技術を採用した「ヨーロッパ加圧水型原子炉」と呼ばれる新型の原発が2基、18年から翌年にかけて営業運転を開始しています。
アメリカのCNNは14日、原発を建設しメンテナンスも請け負うフランスの企業「フラマトム」が「漏えいがあり放射性物質の脅威がある」としてアメリカ政府に協力を求める書簡を送ったと報じました。
これを受けて「フラマトム」の親会社でフランスの大手電力会社「EDF」が14日記者会見し、先週、運用を担う中国の会社から1基の原子炉の内部でガス状の放射性物質が漏れたことを示すデータが届いたと明らかにしましたが、基準の範囲内で汚染はないとして事故ではないという認識を示しました。
それに対して15日付のフランス紙フィガロなどは、原発の冷却水内の希ガス濃度がフランスでは原子炉停止となる上限値の少なくとも2~3倍に上っていると伝えました。
新型原発とされていますが、どのようなタイプの冷却器が使われているのか不明です。
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中国原発で放射線漏れか 米報道、ガス放出と仏電力
共同通信 2021/6/15
【広州、パリ共同】米CNNテレビは14日、中国広東省台山市の台山原発から放射性物質漏れが起き、周辺地域の放射線量が高まっていると、建設と運転に協力するフランスの原子炉製造会社「フラマトム」が訴えていると報じた。問題解決のためにバイデン米政権に技術協力を求めているという。
フランスメディアによると、フラマトムの親会社フランス電力は、原発を運営する合弁企業が放射性希ガスを大気中に放出したと明らかにした。中国当局の規制範囲内だとしている。
CNNが入手した米政府へのフラマトムの文書などによると、フラマトムは既にフランスの安全基準を超えていると訴えている。
放射性希ガス濃度、仏上限2倍超 中国原発の冷却水
共同通信 2021/6/15
【パリ、北京、広州共同】中国広東省台山市の台山原発から放射性希ガスが大気中に放出されたとされる問題で、15日付のフランス紙フィガロなどは、原発の冷却水内の希ガス濃度がフランスでは原子炉停止となる上限値の少なくとも2~3倍に上っていると伝えた。
加藤勝信官房長官や香港政府の林鄭月娥行政長官は15日、事態を注視していると相次ぎ表明し、中国側に情報公開を求めた。一方、中国外務省報道官は「環境や公衆の健康に影響する事態は起きていない」と強調した。
濃度上昇が確認されたのは、1号機の原子炉格納容器内を循環する冷却水。中国での通常の規制値も上回っている。