福島第1原発廃炉を視察 二本松観光大使・女優の大山采子さん
福島民友 2021年06月19日
「原発事故はある意味で人災。事前に安全管理を徹底していれば、こんな大惨事は起きなかった」。二本松市観光大使で女優の大山采子さんは、東京電力福島第1原発の構内で初めて廃炉の現場を直接見て、原発事故が東電の管理態勢に問題があったと認識を新たにした。
大山さんが第1原発を視察したのは4月13日。フリーアナウンサーの大和田新さんらと構内に入った。東電の担当者から廃炉の現状や今後の課題などを聞き、事故を起こした1~4号機なども間近に見て回った。
構内で増え続ける放射性物質トリチウムを含む処理水を貯蔵するタンク群も見た。政府は処理水の海洋放出を決めたが「福島の海のことで、人ごとと思っていないか」と指摘した。
「福島の海は日本の海。日本人はもっと身近な自分の問題として考え、議論したりするべきだ」との考えを示した。
大山さんは視察を通し、第1原発の恩恵を受けていた都民の一人として「足元を見つめ直し、もっと電気を大切に身の程にあった使い方をしないといけない」と考えさせられたという。そして「(第1原発を)東京の人にこそ分かってもらわないといけない。知ったからには責任があり、いろいろな形で責任を果たしたい」と話した。