鹿児島県議会12月議会が29日開会し、塩田知事は川内原発の安全性などを検証する県の専門委員会に、原子力政策に批判的な立場の学識経験者など4人を「特別委員」として加える考えを示しました。これは昨年の知事選で公約したもので、4人のうち2人以上を批判的立場のメンバーとし、この4人を含んだ6人で、新たに材料工学的に検討する分科会を立ち上げます。
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鹿児島県の原子力専門委員会 原子力政策に批判的な専門家など 4人追加へ
鹿児島テレビ 2021/11/29
鹿児島県議会12月議会が29日開会し、塩田知事は川内原発の安全性などを検証する県の専門委員会に、原子力政策に批判的な立場の学識経験者など4人を「特別委員」として加える考えを示しました。
塩田知事 「年内に原子力政策に批判的な方を含め運転延長に関する科学的、技術的な検証に必要な専門分野における学識経験者4人を専門委員会の特別委員として新たに委嘱したいと考えております」
九州電力は40年の運転期限を前に、鹿児島県薩摩川内市にある川内原発の運転延長に必要な「特別点検」を行っています。
川内原発の運転延長などを議論する県の専門委員会は現在12人の専門家で構成されていますが、塩田知事はマニフェストで、原子力政策に批判的な学識経験者を委員に加えることを掲げています。
塩田知事 「コンクリート工学や材料工学など、今回の原発の劣化状況を評価するのに必要な知見を持った方を選定している」
川内原発「40年超運転」 鹿児島県 専門委に特別委員4人追加、分科会で延長の可否議論へ
南日本新聞 2021/11/30
鹿児島県の塩田康一知事は29日、九州電力川内原発(薩摩川内市)の安全性を検証する県専門委員会メンバーに、原子力政策に批判的な専門家を含む4人を年内に追加すると明らかにした。4人は特別委員とし、既存委員12人のうち2人と計6人で分科会を新設。40年の運転期限が迫る川内原発の延長の可否について、年明け以降議論する。
同日開会した県議会12月定例会で表明した。取材に「4人に打診はしているが、手続きが済んでいない」として専門家の名前には言及しなかった。4人のうち、複数は批判的な専門家を加えたい意向を示した。
分科会では、川内原発の劣化状況を評価し、40年超の運転に耐えられるか集中的に検証する。分科会メンバーを6人に限定したことに塩田知事は「既存委員12人の専門分野は多岐にわたる。材料工学などの観点から劣化状況を効果的に検証するため」と述べた。
知事は昨年の知事選公約に原子力政策に批判的な専門家を委員に加えると明記した。専門委で延長問題の議論がまとまらない場合、必要に応じて住民投票を実施する、とした。
川内1、2号機は、2024年7月、25年11月にそれぞれ運転期限を迎える。延長には期限の1年前までに原子力規制委員会への申請が必要で、九電は今年10月、延長申請に必要な特別点検に着手した。規制委が認可すれば最長20年延長できる。