2024年1月13日土曜日

13- 志賀原発で一部想定上回る揺れ 規制庁に報告以外は公表せず

 能登半島地震で志賀原発に加わった加速度一部で設計基準を上回っていましたが、規制庁は安全上問題はないとしました。同原発は加速度を規制庁に報告したほかは、外部には公表せず関係自治体にも報告しませんでした。

 規制庁によると、志賀原発の設備に加わった加速度で想定を上回ったのは1、2号機の基礎部分で1号機が957ガル(想定は918ガル)、2号機は871ガル(同846ガル)でした。周期は0.47秒で重要施設が影響を受けやすい周期ではないということです
 規制庁はこの程度のオーバーは安全上問題ないとしましたが将来もっと大きな地震が来ないという保証はありません。またこれらを既設の原発にも適用バックフィット)するか検討するとしていますが、年単位の時間を要するということです。
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志賀原発で一部想定上回る揺れ 規制庁に報告も公表せず 北陸電
                             時事通信 2024/1/10
 北陸電力志賀原発(石川県志賀町)で観測された能登半島地震の揺れの加速度が、一部で想定をわずかに上回っていたことが分かった。

 10日に開かれた原子力規制委員会の定例会合で、事務局の原子力規制庁が明らかにした。安全上問題はないというが、同社が規制庁に報告したのは9日で、自ら公表はしておらず、関係自治体にも説明していなかった
 規制庁によると、想定を上回ったのは1、2号機の基礎部分で観測された、東西方向の0.47秒周期の揺れ。大きさを示す加速度(ガル)は、1号機が957ガル(想定は918ガル)、2号機は871ガル(同846ガル)だった。原子炉建屋などの重要施設が影響を受けやすい周期ではないという。
 地震の揺れは、周期の長さによって影響を受ける建物や設備が異なり、原発審査では周期ごとに最大の加速度を想定している。
 同社は10日夜の会見で「暫定的な評価による速報値であり、事業者単独ではなく、規制側の判断も含めてお知らせしたほうがいいと考えた」と釈明。「施設の安全性に関わる確認が終わった段階で、公表や報告をさせていただく」とした。


志賀原発で想定超える揺れ 10日原子力規制委員会定例会合で報告 能登半島地震
                         KNB北日本放送 2024/1/11
能登半島地震に伴い、北陸電力の志賀原子力発電所で観測した揺れの加速度が、設計上の想定を一部でわずかに上回っていたことが分かりました。
これは、10日の原子力規制委員会の定例会合で報告されたもので、志賀原発では、1号機の地下で震度5強を観測し、揺れの加速度が、旧原子力安全・保安院時代の北陸電力の想定を一部でわずかに上回りました
2号機の再稼働に向けた現在の規制委員会の審査では、想定を引き上げていて、会合では「安全上問題はない」としています。
ただ、山中伸介委員長は10日の会見で「震源となった海底断層は新しい知見として審査に取り入れなければならない」とした上で、「断層が確定するだけでも年単位の時間がかかる」と述べ、再稼働の審査が長期化するという見通しを示しました。
北陸電力は10日夜、会見を開き、揺れのデータについて「暫定的な値」だとし、石川県など地元自治体などへ報告する考えはないとしています。


石川・志賀原発で想定超える揺れ 規制委、新知見を既設原発適用も
                            共同通信 2024/1/10
 原子力規制委員会は10日の定例会合で、能登半島地震の際に北陸電力志賀原発(石川県)で観測した揺れの加速度が、設計上の想定を一部でわずかに上回っていたと事務局から報告を受けた。安全上の問題はないとしているが、地震担当の石渡明委員は「今回の地震は非常に規模が大きく、専門家の研究結果を今後の審査に生かす必要がある」と述べた。

 定例会合は、能登半島地震後初めて。今後、取り入れるべき新知見が得られれば規制に反映し、既設の原発にも適用する「バックフィット」も検討する
 志賀1、2号機は停止中で、2号機は再稼働に向けて規制委の審査中。山中伸介委員長は会見で、震源となった海底断層は「新知見として審査に取り入れなければいけない」と指摘。バックフィットを実施するかどうかは、専門家による研究だけでも「年単位の時間がかかるだろう」との見通しを示した。
 志賀原発で変圧器が破損して油が漏れ、外部電源が一部使えなくなっていることなど被害状況も報告された。山中氏は「原因をきちっと解明してもらう必要がある」と要望した。