2024年1月13日土曜日

地震で北陸道・国道8号が一時通行止めに 原発事故との複合災害時避難経路が確保出来るのか

 元日の能登半島地震では新潟県内に津波警報が出されました
 この時もし、柏崎刈羽原発事故との複合災害が発生したら・・・」柏崎市でも車の渋滞が起きることから、避難経路の確保などの問題が浮き彫りになりました。
 柏崎市で開かれた定例会見桜井雅浩 市長「かなり市内の道路も渋滞をしていたということは確認している」と述べ、「原発事故と地震・津波が複合し起きた場合は、まずはそこから徒歩で逃げる必要が生じる。市民の皆さまへどう伝えるのがいいのか」と、それが検討課題だとしました。
 市長自らが改めて津波発生時の問題点を指摘しました。
 津波の襲来が速くて車に乗る余裕もないまま逃げる必要があるのであれば、「5~30キロ圏内は当初自宅待機など」の構想は絵空ごとということになります。
 また仮に津波はなくて車での避難が可能であったとしても、能登半島地震の例から高速道路が数日間通行止めになったり、県道や国道が道路自体や路面の損壊などで利用が出来なくなる惧れがあります。
 住民が本当に避難出来るのか改めて問題視する必要があります。
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「地震で北陸道・国道8号が一時通行止めに…」原発事故との複合災害時 避難経路確保の課題浮き彫りに 新潟・柏崎市
                         BSN新潟放送 2024/1/11
元日の地震によって新潟県内に出された津波警報。
「この時もし、原発事故との複合災害が発生したら…」。
柏崎刈羽原発のある柏崎市でも車の渋滞、避難経路の確保など課題が浮き彫りとなりました。
【写真を見る】「地震で北陸道・国道8号が一時通行止めに…」原発事故との複合災害時 避難経路確保の課題浮き彫りに 新潟・柏崎市

柏崎市 桜井雅浩 市長
かなり市内の道路も渋滞をしていたということは確認をしている」
柏崎市で開かれた定例会見。桜井雅浩 市長がこう切り出したのは元日に発生した能登半島地震についてです。
こちらは柏崎刈羽原発から5キロ圏内にある柏崎市 荒浜で撮影された写真です。
県内に津波警報が出された20分後、高台へと避難する車が連なり渋滞が起きていました。市内では複数個所でこうした渋滞が見られたということで、「もし、津波などの自然災害に原発の事故が重なったら…」住民からはそんな不安の声も上がりました。

柏崎市 桜井雅浩 市長
原子力災害、地震・津波が(複合して)あった場合は、まずは津波は物理的に来るわけなので、そこから逃げる。基本的には徒歩で。(適切な避難方法を)市民の皆さまへどう伝えるのがいいのか、検討課題だと思っている
仮に原発で重大な事故が起きた場合、北陸道と国道8号は糸魚川方面へ向かう住民の避難経路となりますが、元日の地震では北陸道が通行止めになったほか、国道8号で土砂崩れが発生。一時同時に、通行が不可能になりました。

柏崎市 桜井雅浩 市長】「糸魚川に行く動線は2つしかない。国道8号と北陸道。市民の75%の方々が上越・糸魚川・妙高市の方に避難する。糸魚川に至るまでの動線が一つ今の段階で(実際に一時)閉鎖されている
桜井市長は緊急時の避難経路の確保について、「国に改めて実態を伝えて、対応を求めたい」としています。


地震避難時に渋滞が…原発事故避難なら?「地域の会」で疑問の声【新潟】
                        UX新潟テレビ21 2024/1/11
1月1日地震時の避難で渋滞 原発事故なら?
柏崎刈羽原発の地元住民が意見を交わす「地域の会」が10日に開かれ、能登半島地震を受けて質問が相次ぎました。
【動画】地震と原発 地域の会で対応に疑問の声
1日の地震発生後、柏崎市内では国道の渋滞が発生。10日の地域の会では、これを受けて県などが実施する住民避難訓練の実効性に疑問の声上がりました。
本間保委員
今回の地震を見てあそこに原子力災害を重ね合わせた時にこんな訓練を繰り返していて役に立つと本当に思っているのか。」
内閣府の担当者
「今後訓練の内容をどう精密化するか、難易度を上げていくかを考えたい。」
地震の発生可能性の審査についても質問が出ました。
竹内英子委員
地盤の問題や活断層の問題が今までの常識でOKを出してこのままでいいのか見直す予定があるのか。」
■柏崎刈羽原子力規制事務所長
「これが新しい知見として必要があるのであれば見直すこともあるかもしれない。見守っていきたいと思う。」
このほか、地震発生時に柏崎刈羽原発の燃料プールから水が溢れたことについて説明を求める声もありました。


柏崎刈羽原発・地域の会 “能登半島地震”受けた質問相次ぐ「敷地が隆起したら?」【新潟】
                       NST新潟総合テレビ 2024/1/11
大きな地震が起こる度に懸念されるのが原発への影響です。1月10日に開かれた柏崎刈羽原発の安全性を監視する「地域の会」でも地震に関する質問が相次ぎました。
10日に開かれた地域の会の定例会で相次いだのが地震に関する質問。
石川県輪島市の鹿磯漁港で沿岸部の海底が推定で39mも隆起したことが確認されたことなどを受け、こうした地震の影響が柏崎刈羽原発でも起こりうるのか心配する声が上がりました。
【地域の会 竹内英子 委員】
「もし(柏崎刈羽)原発の敷地が隆起してしまったときに、どのくらい隆起すると取水口から冷やすための海水を取り込めなくなるのか
【地域の会 本間保 委員】
「現在の取水口は水面から何mの所にあるのか」
東京電力担当者
「詳細な地質調査の結果、柏崎刈羽原発の近くに活断層はないと評価していて、そういう観点から言うと、あそこまで大きな隆起・沈降はありません
今回の地震により石川県の志賀原発で使用済み核燃料プールから水が溢れましたが、柏崎刈羽原発でも燃料プールの溢水が確認されています。

これについて東京電力は「外に出ない対策は有効に機能していた」と説明しました。