2024年1月8日月曜日

志賀原発「安全問題なし」も、柏崎刈羽再稼働の地元合意への影響懸念

 最大震度7を記録した能登半島地震の発生から1週間。最大で3・5万戸が停電に見舞われるなど、電力供給に多大な影響が出ています。
 能登半島周辺は今も余震が続いており、住民の不安は尽きません。特に柏崎刈羽原発については、原子力規制委員会が昨年末に事実上の運転禁止命令を解除したばかりで、今回の地震をきっかけに再稼働に向けた地元合意のハードルが上がる可能性があると産経新聞が報じました。住民が釈然としない中で再稼働に向かおうとしているのですから当然です。
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志賀原発「安全問題なし」も、柏崎刈羽再稼働の地元合意への影響懸念 情報発信に課題も
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最大震度7を記録した能登半島地震の発生から8日で1週間。最大で3・5万戸が停電に見舞われるなど、電力供給に多大な影響が出ている。周辺の原子力発電所では、使用済み核燃料プールの水がこぼれるなどしたが、放射能漏れのような重大な事態は防げた。一方、「志賀原発で火災が発生した」との誤情報が一時拡散されるなど、情報発信面で課題が残る。

■2万戸で停電続く
経済産業省によると、石川県内では7日午前10時半時点で約2万戸が停電。北陸電力は他電力からの応援部隊を得て、復旧作業を急いでいる。
日本海沿岸の被災地周辺には、原発が集中する。石川県志賀町の北陸電志賀原発(停止中)では、1日に1号機地下で震度5強を観測。変圧器の油漏れやプールの水の飛散が確認された。志賀町では6日深夜にも、気象庁の発表で震度6弱を観測したが、原発設備への影響はなかった。
新潟県柏崎市と刈羽村にまたがる東京電力柏崎刈羽原発(停止中)でも大きな異常は確認されていない。

■柏崎刈羽再稼働に壁
このほか福井県にある関西電力大飯原発3、4号機と高浜原発1~3号機も運転を続けている。
ただ、能登半島周辺は今も余震が続いており、住民の不安は尽きない。特に柏崎刈羽原発については、原子力規制委員会が昨年末に事実上の運転禁止命令を解除したばかりだが、今回の地震をきっかけに再稼働に向けた地元合意のハードルが上がる可能性がある
そうなれば、首都圏への電力安定供給や脱炭素電源として原発を活用するエネルギー政策にも影響しかねない。

■誤情報で混乱
志賀原発を巡り、政府や元首相が誤情報を拡散させる異例の事態も起きた。
林芳正官房長官は1日、「変圧器の火災が発生したが消火済みであり、プラントには影響はない」と発言。鳩山由紀夫元首相もX(旧ツイッター)で「それでも大きな異常なしといえるのか」と批判した
これに対し、北陸電が火災の発生を否定。有事の情報発信の課題が浮き彫りとなった。