2026年1月29日木曜日

29- 中部電力、都合良いデータを提示 浜岡原発の基準地震動値 捏造

 浜岡原発の基準地震動を捏造した問題で産経新聞は、「基準地震動」は原発が想定する最大の揺れと定義される一方で、実際には「あらかじめ都合の良い地震波を代表波として選んだ上で、この代表波が平均値に最も近くなるように残りの19組を選定していた」と捏造の手法を報じましたが、実際には平均値を採っていることを疑わせる内容になっています。

 読売新聞が、規制庁の中電立入検査の詳細を1問1答の形で報じました。

 産経新聞も中電立入検査について報じました。

 信用失墜の中部電力・浜岡原発では28日、原発事故が起きたことを想定した訓練が行われました。

 4つの記事を紹介します。
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中部電力、都合良いデータを提示 浜岡原発の基準地震動、過小評価の疑いは45種類
                            産経新聞 2026/1/26
中部電力が浜岡原発(静岡県)の安全審査でデータを不正に操作し、過小評価した疑いがある「基準地震動」は、原発が想定する最大の揺れとして耐震設計の目安となり、安全上重要な意味を持つ。特に浜岡原発は、近い将来の発生が懸念される南海トラフ地震の震源域にあり、中部電力が都合の良いデータを選定して提示していたとされる今回の不正が及ぼす影響は大きい。
中部電力によると、浜岡原発では南海トラフで懸念されるマグニチュード(M)9級の地震や敷地周辺の活断層による地震などを想定した上で、複数の基準地震動を策定。令和5年9月に原子力規制委員会が「おおむね妥当」と評価した基準地震動は、計49種類の地震波で示された
このうち過小評価した疑いがあるのは、断層モデルを用いた手法で策定された45種類だ。本来は1種類当たり、無作為に作成された20組の地震波の中から、平均値と最も近い地震波が「代表波」として基準地震動に用いられる。
これに対して中部電力は、平成30年以前から、代表波を含む20組の地震波のセットを多数作成した上で、その中から都合の良い1つのセットを選定。さらに同年ごろ以降は、あらかじめ都合の良い地震波を代表波として選んだ上で、この代表波が平均値に最も近くなるように残りの19組を選定していた45種類のうち何種類が不正の対象となるかは、現時点では不明とされる。
規制委によると、同年ごろは、浜岡原発に影響を及ぼす可能性が高い断層について議論していた時期と重なるという。
昨年2月、「公益通報制度」による原子力規制庁への情報提供で発覚した。同庁の元幹部でもある長岡技術科学大の山形浩史教授(安全工学)は「今回のように、計算で都合の良いものだけを見せてくると規制委が見抜くのは難しい」と指摘。再発防止に向けては「例えば計算結果の1つを徹底的に調べる『抜き取り検査』を行う必要があるかもしれない」と話す。(小野晋史)


「必要なら社長聞き取り」 規制委、中部電力立ち入り
                       読売新聞オンライン2026/1/27
 浜岡原子力発電所の審査でのデータ不正を巡り、原子力規制委員会は26日、中部電力本店に立ち入り検査を始めた。検査を担当する原子力規制庁検査監督総括課の竹内淳課長と報道陣の一問一答は以下の通り。
 ――検査の方針は。データの委託先も含めて全社的に行うのか。
 横串で監査をしている部署、経営層の関与など、そういった意味では全社と捉えてもらっていい。必要であれば、委託先でも考える
 ――浜岡原発に入るのか。
 発電所側がどう関与しているのかを確認できていないが、(中電には)どういう業務内容で関係しているか提示するように伝えた。
 ――検査の回数や期間は。
 現時点では申し上げられない。次は不正を行った原子力部門原子力土建部で、どんなやりとりがなされているのかリストをもらう
 ――中電に求める文書の提出期限はあるのか。
 特に設けていない。今日もらえればと思ったが、不正を直接行った原子力土建部にまずは急ぎで出してもらう
 ――注目点は何か。
 中電社内で(不正を)問題視する声があったということなので、どのように取り扱われたのかを確認するのも優先事項かと思う
 ――中電とは事前に日付の調整などをやりとりして検査に入った。データの破棄などはないのか。
 これは犯罪捜査ではなく、原子力安全に関係する内容。中電が一義的に事業者の責任として、義務を果たすべきだという信頼が前提となる
 ――社長を含めた経営層への聞き取りも行うのか。
 社長の業務でも(不正関連を)担当する部門はある。そういった所でどういうやりとりがあったのかを聞いた上で、確認する必要があれば、当然(社長に)尋ねる。


浜岡原発耐震データ不正 文書のやり取り「リスト化を」 規制庁側、中電に求める
                            産経新聞 2026/1/26
浜岡原発の耐震設計に関わるデータ不正問題を巡り、原子力規制委員会の中部電力に対する立ち入り検査が始まった26日、原子力規制庁の検査官らは名古屋市東区の本店を訪れ、幹部からの聞き取りや記録の確認を行った
午後0時45分ごろ、作業着姿の検査官5人が到着し、社屋に立ち入った。「真摯(しんし)に対応することを求める」。検査の冒頭、規制庁の竹内淳・検査監督総括課長がこう述べると、豊田哲也・原子力本部長兼浜岡原発所長は「全社を挙げて対応する」と応じていた。
この日の検査終了後、竹内氏は原子力施設の土木建設部門を中心に文書のやりとりなどをリスト化して提出することを求めたと明かし、「リストを基に関係者に聞き取りなどを行う。関係先を全て調べるとなれば、数カ月といった期間では難しいだろう」と話した。(青山博美)


信用失墜の中部電力・浜岡原発 事故が起きたことを想定して訓練 連携と対応を確認 データ不正で再稼働の見通し立たずも使用済み燃料を保管
                       テレビ静岡NEWS 2026/1/28
静岡県御前崎市の中部電力・浜岡原発で事故が起きたことを想定した訓練が行われました。データの不正問題で再稼働の見通しは立ちませんが、使用済み燃料が保管され事故への備えは重要です。

訓練の様子(1月28日)
訓練は震度7の地震によって4号機の冷却機能が停止し、放射性物質が外部に漏れ出したことを想定して行われました。
参加したのは県や11市町の職員、中部電力の担当者など184人に上ります。
職員(首相役):
原子力災害対策特別措置法第15条第2項の規定に基づき、原子力緊急事態宣言を発出します
総理大臣役の職員から「原子力緊急事態宣言」が出されると、職員たちは周辺住民の避難のため避難路や移動手段の確保、受け入れ先の自治体の準備状況の確認などを速やかに行っていきました。

中部電力に対しては1月26日から原子力規制庁による立ち入り検査が始まりました。
浜岡原発の再稼働に向けた安全審査で明るみになったのは”地震データの改ざん”。
東日本大震災以降運転は停止され、津波に備える防潮堤や強化扉の設置、非常用電源の増設など様々な安全対策が進められてきました。
しかし、信頼は失われ、地元の市町からは不安と怒りの声が聞かれます。
御前崎市・下村勝 市長:
今回の事案が発電所の中のどこまで影響を与えるのか、どこの部署、どこの設備にどういう影響を与えるのかまだ可視化されていない。それが不安の最大の要因
御前崎市議会・植田浩之 副議長:
浜岡原発内には使用済み燃料が6542体保管されています。燃料の安全の保持をしっかりやってもらわないと今までの安全性が根本的に覆され心配でなりません
滝明 部長代理
県や市町の職員が参加する28日の訓練は高い緊張感の中で行われていきました。
県危機管理部・滝明 部長代理:
中部電力が原子力規制委員会で不正行為を行ったのは大変遺憾。核燃料等は現在もあり、そういったことを考え訓練等の安全を高めることを進めている
住民の安全のための広域避難計画の検証や関係機関との連携確認も必要で、1月31日には住民が参加する実動訓練が予定されています。