2014年11月3日月曜日

住宅除染完了53%|柏の葉公園基準超え|取手 除染作業3割が辞退|県外最終処分の法案を可決

 福島県が1日までにまとめた9月末現在の市町村の除染実施状況によると、35市町村で実施している住宅除染進捗率は52.7%で、本年度予定の半数を終えました。公共施設などの除染は75.3%が完了しました。道路除染は32%、水田などの農地は69.3%でした
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 千葉県は31日、柏市の「県立柏の葉公園」で、毎時0・23マイクロシーベルトを上回る空間放射線量が検出されたため、園内6カ所周辺を立ち入り禁止にしました
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 放射性物質汚染状況重点調査地域取手市は30日、一般住宅の除染作業が終了したものの、除染対象2514軒のうち、約割が除染作業を辞退したと発表しました。除染後も基準値を上回った住宅は117軒あり、最高は毎時0.46マイクロシーベルト、平均は同0.26マイクロシーベルトですが、さらなる除染行わないとしています。
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 福島県内の除染で出た汚染土壌などを保管する国の中間貯蔵施設において、使用開始後30年以内に国が汚染土壌などについて県外最終処分することを明記した「日本環境安全事業株式会社法(JESCO法)」改正案を衆院環境委員会は31日、全会一致で可決しました。併せて時期を含めて県外最終処分を実現する具体的な取り組みを示す工程表の作成を政府に求める付帯決議を採択し、国会としても県外最終処分に一定の責任を果たす姿勢を明確に示しました。
 これは中間貯蔵施設が永久化することを懸念する住民の不安にこたえたものですが、実効性を伴うことが絶対条件になります。 
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住宅除染完了52.7% 35市町村、9月末現在の実施状況
福島民友ニュース 2014年11月2日
 (福島)県が1日までにまとめた9月末現在の市町村の除染実施状況によると、35市町村で実施している住宅除染で、本年度末までの計画数31万3553戸のうち完了したのは16万5209戸(調査のみで終了した2万2184戸を含む)となり、進捗(しんちょく)率は52.7%で、本年度予定の半数を終えた。
  公共施設などの除染は、本年度末までの計画数8088施設に対し、6093施設(75.3%)が完了した。道路除染は、計画数8357.5キロに対して2674.9キロ(32%)、水田などの農地は、計画数3万371ヘクタールに対して2万1049.9ヘクタール(69.3%)だった。
 
 
基準超える放射線 柏の葉公園
千葉日報 2014年11月1日
 千葉県は31日、柏市の「県立柏の葉公園」で、国の基準値(毎時0・23マイクロシーベルト)を上回る空間放射線量が検出されたと発表した。県は安全確保のため園内6カ所周辺を立ち入り禁止とした。
 
 県公園緑地課によると、基準値を超えたのは総合競技場北側の園路脇植栽などで、地上50センチ地点で0・6~0・26マイクロシーベルト、1メートル地点で0・39~0・24マイクロシーベルトが検出された。
 今後、国のガイドラインに基づき除染作業を行う。同公園では9月にも基準値を超える線量が検出され、除染作業が行われた。
 
 
除染作業 3割が辞退 取手の一般住宅市「強制できない」
東京新聞 2014年11月1日
 東京電力福島第一原発事故で放射性物質の汚染状況重点調査地域に指定されている取手市は三十日、一般住宅の除染作業が終了したと発表した。除染対象二千五百十四軒のうち、約三割の七百七十六軒が除染作業を辞退した。事業費は約七億円余ったが、市は辞退した住宅の除染作業は「強制できない」としている。
 
 市は今年二月から、総額約二十三億五千万円の事業費で、一般住宅を対象に除染作業を開始。空間放射線量を測定し、毎時〇・二三マイクロシーベルトの基準値を上回った一般住宅に対し、天地返しなどの工法で除染し、九月末に作業を終えた。
 市は、千七百三十八軒の除染の結果、対象地区の空間放射線量は、約三分の一に低減したとしている。
 除染後も基準値を上回った住宅は百十七軒あり、最高は毎時〇・四六マイクロシーベルトで、平均は同〇・二六マイクロシーベルト。こうした住宅のさらなる除染について市は、「環境省の指示がないので、行わない」としている。 (坂入基之)
 
 
県外最終処分の法案可決 環境委、工程表作成求め決議
福島民友ニュース 2014年11月1日
 県内の除染で出た汚染土壌などを保管する国の中間貯蔵施設をめぐり、衆院環境委員会は31日、施設使用開始後30年以内に国が汚染土壌などについて県外最終処分することを明記した「日本環境安全事業株式会社法(JESCO法)」改正案を全会一致で可決した。併せて、時期を含めて県外最終処分を実現する具体的な取り組みを示す工程表の作成を政府に求める付帯決議を採択。国会としても県外最終処分に一定の責任を果たす姿勢を明確に示した。
  工程表の作成については付帯決議で、中間貯蔵施設の使用開始後30年以内の県外最終処分を「政府に課せられた法的責務」と位置付けた上で求めた。
  工程の内容としては最終処分地の選定や汚染土壌の体積を減らす減容化技術の開発などを示した。加えて年度ごとに進捗(しんちょく)状況の国会報告を政府に課し、取り組みが遅れる場合には、原因と対策案を示すことも要求した。
  付帯決議の採択は、審議で県外処分の確実な実施を危ぶむ声があったためだ。政府は「県外最終処分に向けた考え方」として県などに研究技術開発、最終処分地の検討、整備など8段階で最終処分完了までの工程を提示したが、各段階の目標達成年を全く示していないため、最終処分の実現に対する県側の強い懸念もある。付帯決議では、同委員会であらためて国が最終処分完了まで責任を持つと明言することも要求した。
 

2014年11月2日日曜日

トレンチの氷の壁を断念 コンクリートで封鎖へ

 福島原発の2号機建屋から海側のトレンチに汚水が流入するのを遮断するための『氷の壁』が半年経っても凍らないため、最終的に壁の開口部に止水材を投入してきました。しかしそれでも凍る気配はなく、逆に一部で温度が10℃上昇しているということです。
 11月中旬まで待っても凍結しなければ『氷の壁』は断念して、トレンチをコンクリートで埋めるということです。
 随分と長い回り道でした。
 
 『氷の壁』が出来なかった理由は、水路が部分的に凍ると通水断面積が減って通過流速が上がるためです。トレンチの凍結の場合は開口面積が約1割に減じた時点で凍結が進まなくなったということです。
 これは極く基本的な問題で、これへの対策がないままに着工するということは本来ありえない話です。しかし凍結しなくなったことが判明してから、氷やドライアイスを投入するなどのドタバタ騒ぎを数ヶ月間も続けた挙句にギブアップしたところを見ると、完全に見落としていたとしか思われません。
 
 トレンチはいずれコンクリート封鎖で解決するとしても、問題は本体の延長1400mに及ぶ「氷の壁工事」の成否です。トレンチと同じ「一部が凍らない」現象が無数に生じることは明らかで、それがどの部分で起きているかの把握が出来ないことも明らかです。
 この問題がクローズアップされるのは時間の問題です。
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「氷の壁」温度10度上昇 福島第1原発 コンクリでの埋設も現実味
産経新聞 2014年11月1日
 東京電力福島第1原発の海側のトレンチ(地下道)に流れ込む汚染水を遮断するための「氷の壁」が半年たっても凍らない問題で、東電は31日、未凍結部分に止水材投入後も、一部で温度が約10度上昇していたことを明らかにした。全体的に温度は低下傾向にあるとしているが、11月中旬までに止水材投入に効果がないと判断すれば、トレンチをコンクリートで埋め、氷の壁を断念するという。
 
 この日の原子力規制委員会による検討会で、東電側が報告した。東電は4月末、凍結管を通して周囲の水を凍らせる氷の壁を導入したものの、氷やドライアイスを投入しても約1割が凍らないため、10月初旬から止水材を入れて未凍結部分を間詰めする工事を実施してきた。
 間詰め後に温度は一時、マイナス15度近くまで下がったが、10月30日に計測したところ、再び10度近く上昇していたことが判明。東電は「水位が高い所で温度が上昇しており、熱量の流動のデータを見て吟味している」と話し、原因を究明中だという。
 
 間詰め工事は10日まで行われる。当初は、凍結止水した上で、汚染水を移送し、トレンチに閉塞(へいそく)材を充填(じゅうてん)する方針だった。氷の壁で止水効果が確認できない場合、トレンチ内の水を抜き取るのではなく、汚染水ごと水中不分離性のセメント系材料で埋める方策に移行することがこの日の検討会で確認された。
 トレンチには高濃度の汚染水が約1万トン以上滞留しており、津波などによる海への漏洩(ろうえい)が危険視されている。
 この日の検討会でコンクリ埋設の案について、会津大の角山茂章・教育研究特別顧問が「リスクの高い汚染されたコンクリートが増えるだけだ。かなりの量になると推定できる」と懸念を示した。




 

再生エネ受入 全原発再稼働を前提に試算 経産省

 電力5社が再生エネの受け入れ手続きを中断し北陸、中国の電力が受入が「厳しい」と主張している問題について、経産省は30日、各社の受け入れ可能量を検証する専門部会の第回会合を開き、受け入れ可能量の試算方法を決めました。
 しかしそれによると、原発を震災前と同じように稼働させる前提になっているため、電力会社が実態とかけ離れた試算結果を出して、再生エネの受け入れができないという結論になりそうです。
 老朽化した原発まで再稼動させるという「原発最優先」の考え方では、再生エネの受け入れ余地は限りなく縮小され、事態の解決など望むべくもありません。
 
 経産省の担当者は「まずは現状の設備を前提に試算してもらい、廃炉が決まった場合は試算をやり直してもらう」「試算があまりにおかしければ、部会で有識者が指摘してくれるだろう」と話しているということですが、再生エネなどどうなっても構わないという考え方に他なりません。
 こうした政権の下では、太陽光発電などの再生エネの活用の増大などは全く望めません。
 そもそも突然の再生エネの受入中断で大被害を受けた人たちへの補償について、政府、経産省、電力はどう考えているのでしょうか。
 メディアの電力会社に対する弱腰も歯がゆい限りです。
 
 古い記事も含めて、東京新聞の3つの記事を紹介します。
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再生エネ 再稼働前提に受け入れ試算
東京新聞 2014年10月31日
 大手電力会社が再生可能エネルギーの受け入れ手続きを相次いで中断した問題で、経済産業省は三十日、各社の受け入れ可能量を検証する専門部会の第二回会合を開き、受け入れ可能量の試算方法を決めた。原発を震災前と同じように稼働させる前提になっているため、電力会社が実態とかけ離れた試算を基に再生エネの受け入れを拒否する恐れがある。
 
 再生エネの受け入れ手続きを中断した北海道、東北、四国、九州、沖縄の五電力と、「厳しい」と主張している北陸、中国の二電力が、この方法に沿って次回会合で試算を示す予定。
 原発は現時点で保有している設備を、震災前三十年間の平均稼働率で動かす前提。経産省は将来の望ましい再生エネや原発の比率をまとめていないため、過去の実績を基に試算してもらうことにしたという。
 しかし、震災を機に全国的に原発が停止し、再稼働のめどは立っていない。中でも、九州電力玄海原発1号機(佐賀県)と中国電力島根原発1号機(島根県)は稼働から四十年前後となっているため廃炉になる可能性があるほか、北陸電力志賀原発1号機(石川県)は原子炉直下の活断層が疑われている。試算ではこうした原発も運転する前提となる。
 原発の稼働想定が増えれば再生エネを受け入れる余地は狭まる。このため電力各社は過大な原発の稼働想定を基に「出力が高まりすぎるのでこれ以上再生エネを増やせない」と主張する可能性がある。
 
 経産省の担当者は「まずは現状の設備を前提に試算してもらい、廃炉が決まった場合は試算をやり直してもらう」と説明。「試算があまりにおかしければ、部会で有識者が指摘してくれるだろう」と話している。
 
 
揚水発電利用率わずか3% 経産省「再生エネ蓄電に活用を」
東京新聞 2014年11月1日
 標高が高い場所に水をくみ上げることで余った電気を実質的にためることができる「揚水発電所」の設備利用率は昨年度、全国で3%にとどまり、太陽光発電などの再生可能エネルギーが余ったときに蓄電する受け皿としてはほとんど活用されていないことが、経済産業省の集計で1日、分かった。
 
 九州電力など電力5社は再生エネの供給が増え過ぎて需給バランスが崩れる恐れがあるなどとして、新規受け入れを中断している。経産省は揚水発電を最大限活用すれば、再生エネの受け入れ可能量が増えるとみており、5社に試算の提出を求める。(共同)
 
 
再生エネ受け入れ量試算へ 原発再稼働を盛り込む恐れ
東京新聞 2014年10月17日
 大手電力会社が再生可能エネルギーの受け入れ手続きを相次いで中断した問題で、経済産業省は十六日、各社の受け入れ可能量を検証する専門部会の初会合を開いた。次回以降に計算方式を決めて各社に可能量を試算させ、年内に妥当かどうか検証する。しかし、原子力発電など再生エネ以外の発電をどの程度見込むかは電力会社の判断に委ねられ、「原発が稼働するので再生エネは受け入れられない」といった電力会社側に都合のいい試算が示される可能性がある。 
 可能量は二〇一三年度の実績を基に季節・時間別の電力消費と、太陽光と風力の発電実績を照らし合わせて受け入れ余力を計算する。まずは現行の規制やルールの範囲内で試算する。
 さらに、電力会社同士を結ぶ「連系線」という送電線の運用ルールを変えるなどの規制緩和を行った場合の試算も示す。緩和されれば一社で引き受けられない再生エネを別の会社に送りやすくなり、再生エネの受け入れ余地が広がる。こうした拡大策の詳細は次回の会合で詰める。
 しかし、原子力など再生エネ以外の電源がどれだけ稼働するかという想定は、電力会社に任せる。原発の再稼働などは先行きがはっきりしないため、経産省は想定を電力会社に「丸投げ」した格好だ。
 国と電力会社は原発について、昼夜を問わず常に一定の出力で稼働する「ベースロード電源」と位置付けており、稼働を見込めば再生エネを受け入れる余地は狭まる。電力会社側は「再生エネを受け入れると、送電網に多くの電気が流れすぎ、トラブルが起きる恐れがある」と主張できる。
 

2014年11月1日土曜日

官邸は原発の早期再稼動は地方選に悪影響と

  これほど身勝手なハナシもありません。
 政府はあれだけ強引に川内原発の再稼動を進めておきながら、冬を前に再稼働されると原発問題が来年4月の統一選でクローズアップされて不利になるから、それは困るのだそうです。
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川内原発に地元同意 スピード再稼働に安倍官邸「困惑」のワケ 
日刊ゲンダイ 2014年10月31日
 原発再稼働がいよいよ“秒読み”だ。
 
 九州電力の川内原発(鹿児島県)について、薩摩川内市の岩切市長が28日、再稼働に同意する意向を表明した。これを受け、鹿児島県は再稼働をめぐる陳情を採決する臨時議会を来月5日招集することを決め、同7日に採決される見通しとなった。
 九州電力も29日、瓜生社長が周辺8市町の首長と会って、安全確保の取り組みを説明すると発表した。
 周辺の活火山群に対する懸念をよそに、再稼働への手続きは“順調”に進んでいる。さぞや安倍政権は喜んでいると思ったら、実は困惑しているらしい。あまり早く進みすぎると困るというのが本音だというのだ。一体どういうことか。
 
 「地元の九電や経済界は燃料費がかさむ冬を前に原発を再稼働させたいと急いでいます。ところが、官邸のホンネは、再稼働を来年4月の統一地方選後にしたい。世論調査では依然、原発再稼働に反対する人の方が多い。冬を前に再稼働すれば、この問題が統一選でクローズアップされてしまいますからね」(霞が関関係者)
 それで安倍官邸は、原子力規制委員会に対し、「ゆっくり審査するように」と暗に“指示”を出していて、規制委が渋い顔をしているのだという。
 
 原発再稼働が遅れるのは歓迎だが、暴走する安倍政権は原発まで政局に利用するのか。 
 

川内原発 放射能が漏れ出す前の避難は不可能

 30日の衆院予算委員会で共産党の笠井議員と政府との間で行われた川内原発の再稼動に関する論戦で、政府は避難計画の位置づけや実効性について、何の関心も持っていないことが明らかにされました。
 
 論議の前段は、巨大噴火を予知する手段がないのにどうして再稼動できるのかという指摘に対するもので、安倍首相は最後まで問題の正確な意味を理解できなかったようで、答えにならない的外れな文章を繰り返し読み上げて時間を浪費していました。
 
 笠井氏は次に過酷事故時に、5キロ圏内の住民が避難するのに5~16時間を要することを確認したのち、それでは事故の90分後に格納容器から放射能が漏れ出すという予測に対応出来ていないと指摘しました。
 
 政府側はこれまでただ漫然と避難に要する時間を算出しただけで、それで住民が被曝から守れるかのチェックは行っていないことが明らかにされました。
 90分後に放射能が漏れ出すのであれば、その前に住民が避難することなどは出来ません。再稼動は無理という結論以外にはあり得ません。
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川内原発 避難時間の計画なし 
    衆院予算委で笠井氏 再稼働中止を迫る
しんぶん赤旗 2014年10月31日
 日本共産党の笠井亮議員は30日の衆院予算委員会で、安倍政権が、巨大噴火への備えも、合理的な避難計画もなく、九州電力川内原発の再稼働を進めていると指摘し、「再稼働はキッパリやめるべきだ」と迫りました。 ( ⇒ 論戦ハイライト)
 
 笠井氏は、九電が巨大噴火を予知し、原子炉の核燃料を運び出すとしていることに対し火山専門家が、こぞって噴火予知も前兆現象の把握もできないと述べていると追及しました。安倍晋三首相は「九電は、噴火の可能性につながるモニタリング結果が観測された場合、必要な判断、対応をおこなう」などと言い張りました。
 笠井氏は「専門家よりも九電を信頼するというのでは、まさに新たな『安全神話』そのものだ」と首相の姿勢を批判しました。
 さらに笠井氏は、内閣府がまとめた「緊急時対応」には避難に要する時間が示されていないと指摘。九電は、川内原発で過酷事故が起これば19分後にはメルトダウンが起こり、90分で格納容器から放射能漏れが始まるとしているのに、「限られた時間内に避難ができると約束できるのか」とただしました。
 首相は「緊急時の対応にこれで完璧ということはない」などと開き直りました。笠井氏は「何日もかかって避難している最中に放射性物質を浴びたら、被ばくする。避難計画が未完成なのに、『具体的』『合理的』などとはとてもいえない」と批判しました。
 
(論戦ハイライト)
衆院予算委集中審議 笠井議員の質問
 
 九州電力川内原発(鹿児島県薩摩川内市)の再稼働に暴走する安倍政権。日本共産党の笠井亮議員は30日の衆院予算委員会集中審議で、ずさん極まる巨大噴火対策や避難計画を追及し、原発再稼働断念を迫りました。
 
巨大噴火対策  首相 “九電の保安規定は妥当”笠井 “専門家より九電を信頼する「安全神話」だ”
 
 巨大噴火の可能性があるカルデラ(火山噴火による陥没地形)が五つも存在する川内原発周辺。巨大噴火にどう備えるのか。
 九電の「保安規定」では、九電自ら巨大噴火を予知し、予知された時点で原子炉を止めて核燃料を運び出す手順が記されています。しかし、火山学の専門家は「前兆現象を数年前に把握できた例は世界にない」(藤井敏嗣東大名誉教授)と断言しています。
 
笠井 九電は「できる」と言うが、これが科学的か。
田中規制委長 破局的噴火の研究は十分に進んでいない。何らかの異常が検知された場合、空振り覚悟で措置を事業者に命ずる。
 
 実際に噴火があればどうするか。「保安規定」では、核燃料をどこに、どうやって、いつまでに運び出すか、そして核燃料の冷却方法も期間も記載されず、具体化はこれから。仮に予知できたとしても、肝心要の問題が未完成のままで、原子力規制委員会は再稼働に向けた“合格”を与えたことになります。
 
笠井 どうして「再稼働に求められる安全性は確保された」といえるのか。
安倍首相 九電は川内原発の運用期間中に火砕流が到達するような巨大噴火が起こる可能性は十分小さいと評価し、それを規制委員会は妥当と判断した。
笠井 専門家よりも九電を信頼している。まさに「安全神話」だ。
 
緊急時対応 望月担当相 “住民避難は5~16時間”笠井 “メルトダウンまで19分、数時間の話でない” 
   
 笠井氏は、内閣府が9月にまとめた緊急時対応について、避難にどれくらいの時間がかかるのかが一切示されていないと指摘しました。首相は答弁でも、それについて何も答えていません。
 
笠井 総理が原子力防災会議で「具体的かつ合理的なものと確認したと了承」した避難計画によって、いったい何時間で避難が完了するのか。
望月担当相 5キロ圏内の住民避難完了は、鹿児島県の推定によるとおおむね5時
     間から16時間。5キロ以遠は毎時20マイクロシーベルトを超える地域は1週
     間程度以内で一時移転をしていただく。   (担当相=原子力防災担当相)
 
 笠井氏は、川内原発で重大事故が起きた場合、19分後にメルトダウンが始まり、90分後には格納容器から放射能が漏れる九電自身の解析結果をパネル(上)で掲示しました。
 
笠井 数時間とか十数時間とかいう話ではない。時間との争いだ。限られた時間内に避難できると約束できないのに、どこが「具体的かつ合理的」なのか。
首相 全体として、極めて具体的な内容になってきている。これで完璧ではない。
 
 笠井氏は「完璧でないというより、避難計画は未完成」だと指摘し、「被ばくする前に避難を終えないと意味がない」「『具体的かつ合理的』なんて到底いえない」と批判しました。
 

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