福島県が1日までにまとめた9月末現在の市町村の除染実施状況によると、35市町村で実施している住宅除染の進捗率は52.7%で、本年度予定の半数を終えました。公共施設などの除染は75.3%が完了しました。道路除染は32%、水田などの農地は69.3%でした。
◇ ◇
千葉県は31日、柏市の「県立柏の葉公園」で、毎時0・23マイクロシーベルトを上回る空間放射線量が検出されたため、園内6カ所周辺を立ち入り禁止にしました。
◇ ◇
放射性物質汚染状況重点調査地域の取手市は30日、一般住宅の除染作業が終了したものの、除染対象2514軒のうち、約3割が除染作業を辞退したと発表しました。除染後も基準値を上回った住宅は117軒あり、最高は毎時0.46マイクロシーベルト、平均は同0.26マイクロシーベルトですが、さらなる除染は行わないとしています。
◇ ◇
福島県内の除染で出た汚染土壌などを保管する国の中間貯蔵施設において、使用開始後30年以内に国が汚染土壌などについて県外最終処分することを明記した「日本環境安全事業株式会社法(JESCO法)」改正案を、衆院環境委員会は31日、全会一致で可決しました。併せて時期を含めて県外最終処分を実現する具体的な取り組みを示す工程表の作成を政府に求める付帯決議を採択し、国会としても県外最終処分に一定の責任を果たす姿勢を明確に示しました。
これは中間貯蔵施設が永久化することを懸念する住民の不安にこたえたものですが、実効性を伴うことが絶対条件になります。
これは中間貯蔵施設が永久化することを懸念する住民の不安にこたえたものですが、実効性を伴うことが絶対条件になります。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~
住宅除染完了52.7% 35市町村、9月末現在の実施状況
福島民友ニュース 2014年11月2日
(福島)県が1日までにまとめた9月末現在の市町村の除染実施状況によると、35市町村で実施している住宅除染で、本年度末までの計画数31万3553戸のうち完了したのは16万5209戸(調査のみで終了した2万2184戸を含む)となり、進捗(しんちょく)率は52.7%で、本年度予定の半数を終えた。
公共施設などの除染は、本年度末までの計画数8088施設に対し、6093施設(75.3%)が完了した。道路除染は、計画数8357.5キロに対して2674.9キロ(32%)、水田などの農地は、計画数3万371ヘクタールに対して2万1049.9ヘクタール(69.3%)だった。
基準超える放射線 柏の葉公園
千葉日報 2014年11月1日
千葉県は31日、柏市の「県立柏の葉公園」で、国の基準値(毎時0・23マイクロシーベルト)を上回る空間放射線量が検出されたと発表した。県は安全確保のため園内6カ所周辺を立ち入り禁止とした。
県公園緑地課によると、基準値を超えたのは総合競技場北側の園路脇植栽などで、地上50センチ地点で0・6~0・26マイクロシーベルト、1メートル地点で0・39~0・24マイクロシーベルトが検出された。
今後、国のガイドラインに基づき除染作業を行う。同公園では9月にも基準値を超える線量が検出され、除染作業が行われた。
除染作業 3割が辞退 取手の一般住宅市「強制できない」
東京新聞 2014年11月1日
東京電力福島第一原発事故で放射性物質の汚染状況重点調査地域に指定されている取手市は三十日、一般住宅の除染作業が終了したと発表した。除染対象二千五百十四軒のうち、約三割の七百七十六軒が除染作業を辞退した。事業費は約七億円余ったが、市は辞退した住宅の除染作業は「強制できない」としている。
市は今年二月から、総額約二十三億五千万円の事業費で、一般住宅を対象に除染作業を開始。空間放射線量を測定し、毎時〇・二三マイクロシーベルトの基準値を上回った一般住宅に対し、天地返しなどの工法で除染し、九月末に作業を終えた。
市は、千七百三十八軒の除染の結果、対象地区の空間放射線量は、約三分の一に低減したとしている。
除染後も基準値を上回った住宅は百十七軒あり、最高は毎時〇・四六マイクロシーベルトで、平均は同〇・二六マイクロシーベルト。こうした住宅のさらなる除染について市は、「環境省の指示がないので、行わない」としている。 (坂入基之)
県外最終処分の法案可決 環境委、工程表作成求め決議
福島民友ニュース 2014年11月1日
県内の除染で出た汚染土壌などを保管する国の中間貯蔵施設をめぐり、衆院環境委員会は31日、施設使用開始後30年以内に国が汚染土壌などについて県外最終処分することを明記した「日本環境安全事業株式会社法(JESCO法)」改正案を全会一致で可決した。併せて、時期を含めて県外最終処分を実現する具体的な取り組みを示す工程表の作成を政府に求める付帯決議を採択。国会としても県外最終処分に一定の責任を果たす姿勢を明確に示した。
工程表の作成については付帯決議で、中間貯蔵施設の使用開始後30年以内の県外最終処分を「政府に課せられた法的責務」と位置付けた上で求めた。
工程の内容としては最終処分地の選定や汚染土壌の体積を減らす減容化技術の開発などを示した。加えて年度ごとに進捗(しんちょく)状況の国会報告を政府に課し、取り組みが遅れる場合には、原因と対策案を示すことも要求した。
付帯決議の採択は、審議で県外処分の確実な実施を危ぶむ声があったためだ。政府は「県外最終処分に向けた考え方」として県などに研究技術開発、最終処分地の検討、整備など8段階で最終処分完了までの工程を提示したが、各段階の目標達成年を全く示していないため、最終処分の実現に対する県側の強い懸念もある。付帯決議では、同委員会であらためて国が最終処分完了まで責任を持つと明言することも要求した。