福島第一原発で発生し続けるトリチウム汚染水の取り扱いに関する意見交換会が26日夜、銚子市で開かれ、海洋放出による風評被害の再燃を懸念する声が相次ぎました。
千葉県で開かれたのは初めてです。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~
風評被害の再燃懸念 原発処理水海洋放出 銚子で意見交換会
東京新聞 2020年10月28日
東京電力福島第一原発事故で発生し続ける放射性物質を含んだ処理水の取り扱いに関する意見交換会が二十六日夜、銚子市保健福祉センターで開かれ、海洋放出による風評被害の再燃を懸念する声が相次いだ。
地元の水産、観光関連、行政など九団体から約三十人が出席。資源エネルギー庁の担当者から同原発の現状や海洋放出を前提にした処理水の処分方法などの説明を受けた後、質疑が行われた。
参加者は「原発事故の風評被害がやっと八、九割払拭(ふっしょく)できたところ。再検討を」「国家間の輸出規制がなくなっても、現場の放射能検査の負担は変わらない」「銚子は海と魚のイメージで、海洋放出は影響が強く出る」などと訴えた。
エネ庁の担当者は「復興の努力を無にしてはいけない。関係者の理解や納得が得られる対策は、処分方法の決定前も後も継続して取り組んでいかねばならない」などと答えた。
処理水の処分を巡り、利害関係者が集まって政府側に意見表明する会合は(千葉)県内では初めて。銚子の水産関連団体は海洋放出に反対する文書を、市は拙速に処分方法の方針決定をしないことを求める要望書を、それぞれ県に提出していた。
政府の方針決定に向けた九月の意見聴取で、滝川伸輔副知事は「必要なのは、水産関係者の理解と納得を得ること、風評被害を再燃させないことだ」と主張した。 (小沢伸介)