2020年10月8日木曜日

女川再稼働、広域避難の詳細固まらず 宮城県議会一般質問

  6日の宮城県議会9月定例会一般質問で女川原発2号機の重大事故時の広域避難計画の実効性が議論されましが、避難計画の詳細が固まっていない現状が浮き彫りになりました。

 問題のバス及び運転手の確保については「県バス協会と調整し、各地域で運行可能な事業者の候補選定を進めている」と述べるにとどまり、質問した議員は「課題が解決されずに避難できるのか。実効性の向上はまだ入り口だ」と批判しました。
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女川再稼働、広域避難の詳細固まらず 宮城県議会一般質問
                         河北新報 2020年10月07日
 東北電力女川原発2号機(宮城県女川町、石巻市)の再稼働を巡り、重大事故時の広域避難計画の実効性が6日の宮城県議会9月定例会一般質問で議論された。県は、原発30キロ圏の約20万人の避難を受け入れる県内31市町村向けの指針が策定途中で、移動に使うバスの振り分けも調整段階であることを明らかにした。避難計画の詳細が固まっていない現状が浮き彫りになった

 岸田清実氏(社民党県議団)は、避難者に具体的な避難先を案内する31市町村の拠点「避難所受付ステーション」での混雑を懸念。鈴木秀人環境生活部長は「市町村の運営マニュアル作りを支援するため、県でガイドラインの策定を進めている」と説明。ガイドラインに時間短縮の方策などを盛り込む考えだが、策定時期は未定という。
 避難時のバス確保について、鈴木部長は「県バス協会と調整し、各地域で運行可能な事業者の候補選定を進めていると述べるにとどまった。岸田氏は「課題が解決されずに避難できるのか。(実効性の向上は)まだ入り口だ」と批判した。

 石田一也氏(みやぎ県民の声)は、再稼働賛成の陳情を採択した女川町、石巻市の両議会と、女川で43%、石巻で61%が再稼働に反対した3月の河北新報社世論調査に「乖離(かいり)がある」と指摘。村井嘉浩知事は「世論調査は意見の一つ。議会の判断は民意をくみ取り、大変重い」との認識を示した。