河北新報 2020年10月6日
東北電力女川原発2号機(宮城県女川町、石巻市)の再稼働の前提となる「地元同意」を巡り、村井嘉浩知事は5日の定例記者会見で、判断の際に重視するとした宮城県議会の意思について「分かりやすいのが請願(への賛否)。議会の総意に注目している」と述べた。開会中の9月定例会で、賛否双方の請願への明確な意思表明に期待した。
最大会派自民党・県民会議は、再稼働を求める請願に署名する方針を決め、1日の代表質問でも再稼働容認の姿勢を打ち出した。村井知事は「請願の採択に影響がある」と指摘した上で、意見書や決議といった方法にも言及。「議会の過半数が賛成か反対か、誰が見ても分かる内容で(同意を)判断したい」と強調した。
重大事故時の広域避難計画に関連し、女川町、石巻市の両議会は避難路となる国道や県道の整備を求める意見書を県に提出した。村井知事は、県全体の整備計画で2市町の優先順位を上げることを示唆する一方、「東日本大震災からの復興予算を使った整備は難しい。国と調整する」と財源面の課題も挙げた。
原発の高レベル放射性廃棄物(核のごみ)の最終処分場選定に向けた文献調査への見解も問われた。知事は「国策であり、国の積極的関与が必要。自治体任せでは先に進まない」と述べるにとどめた