2020年10月7日水曜日

高浜3、4号機運転停止求め町民ら提訴 「バックフィット」根拠に

 関西電力高浜原発3、4号機の運転を、火山の大規模噴火に備えた基準に適合していると確認されるまで停止させるよう国に求め、高浜町や名古屋市などの住民9人が5日、名古屋地裁に提訴しました。
 原子力規制委は関電に対し昨年6月、鳥取県大山の噴火規模の想定が見直されたことに伴い、降灰の影響がある高浜原発の再稼働審査を一部やり直すための申請を命じましが、その一方で噴火の緊急性はないとして、運転停止は求めませんでした
      ⇒(19. 927) 関電、3原発の再審査申請 降灰想定を見直し
 因みに「バックフィット」とは、のちに導入された安全基準を既設の原発に遡って適用させるというもので、福島原発の事故後に設けられた制度です。
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高浜3、4号機運転停止求め町民ら提訴 規制委の「バックフィット命令」根拠に
                          毎日新聞 2020年10月5日
 最新の技術や知見に基づいて原発の安全対策の更新を命じる「バックフィット命令」が出された関西電力高浜原発3、4号機(福井県高浜町)について、高浜町や名古屋市など5府県の9人が5日、新たな安全基準に適合するまで国に運転停止を命じるよう求める訴訟を名古屋地裁に起こした。原告弁護団によると、バックフィット制度を巡って原発の停止を求める訴訟は全国で初めて。
 原子力規制委員会は2019年6月、高浜3、4号機を含む関電の3原発に対し、想定を超える火山灰が降る可能性があるとして安全対策の更新を命じた。鳥取県の大山(だいせん)の噴火規模見直しを踏まえた対応だが、規制委は、大山は活火山ではなく切迫した状況ではないとの理由で、運転停止は求めなかった。
 原告側は、自然災害の規模が従来の想定を上回るなら原則として運転停止を命じ、新たな基準を踏まえて安全が確保できた場合に再稼働を認めるべきだと主張している
 バックフィットは東京電力福島第1原発の事故後に設けられた制度。


高浜原発「バックフィット」で提訴=住民ら、国に停止命令求める—名古屋地裁
                          時事通信 2020年10月5日
原子力規制委員会から設備などの設計を変更するよう命令を受けた関西電力高浜原発3、4号機(福井県)について、福井、愛知両県などの住民9人が5日、国を相手に、災害の防止上十分だと認められるまでの間、同原発の使用を関電に停止させるよう求める訴訟を名古屋地裁に起こした。
 規制委は昨年6月、原発が最新の安全基準に合致していることを要求する「バックフィット制度」に基づき、大山(鳥取県)噴火時の火山灰の影響の想定が不適当などとして、高浜3、4号機を含む3原発の施設の設計見直しを関電に命令。ただ、使用停止命令は見送っていた。【時事通信社】