福島原発のトリチウム汚染水の処分について、政府は8日、第7回の意見聴取会を終了しました。会合後、座長の江島潔経済産業副大臣は、予定した関係者の意見聴取は終了したとして、海洋放出を軸に風評対策の本格検討に入ると述べました。江島氏はいま処分を決めないと2年後の9月にはタンクが満杯になるとして、「待ったなしの状態」だと切迫感を示しました。
しかしそれは当初から分かっていたことで、そうなる事態に意識的に持ち込んだとも言えます。この問題は時間切れで放流ということではなく、結論が出るまでは新規の敷地を選んでタンク貯留を継続すべきです。
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福島第1処理水処分、政権に切迫感 海洋放出を軸に風評対策本格検討へ
河北新報 2020年10月09日
東京電力福島第1原発の処理水の処分について、政府は8日、漁業団体を対象に第7回の意見聴取会を開いた。当初は今夏とみられていた処分方針の決定時期は過ぎ、座長の江島潔経済産業副大臣は取材に切迫感をにじませた。予定した関係者の意見聴取は終了し、政府は海洋放出を軸に風評対策の本格検討に入る。
会合後、江島氏は「待ったなしの状態。政府として責任を持って次の段階に行かなければならない」と強調。「7回の開催を通じて幅広い意見を頂けた」との認識を示した。
処理水の保管タンクは2022年9月に満杯になる見通し。処分方法決定から実行までは約2年必要とされる。
江島氏は風評被害対策に関し「今後走りながら確実に対応することを約束し前進しないといけない」と説明。「本日は今後の風評被害に直接影響する関係者ばかり」とも漏らし、記者から「海が前提なのか」と問われる場面もあった。
出席した二つの漁業団体は事案の切迫性に理解を示しつつ、海洋放出への反対を鮮明にした。
全漁連の岸宏会長は「国民の理解を得られない海洋放出には漁業者の総意として絶対反対だ」と強調。「議論を深め、慎重に判断してほしい」と求めた。福島県水産加工業連合会の小野利仁代表も「風評が蒸し返されるのかと不安の日々を送っている」と訴えた。