2020年10月30日金曜日

トリチウムに関する情報発信を強化すると 福島復興本社代表

 トリチウムの情報発信強化 「地域分断申し訳ない」、東電復興本社代表

                            福島民報 2020/10/29
 東京電力福島復興本社の大倉誠代表は二十八日の定例記者会見で、福島第一原発で増え続ける放射性物質トリチウムを含んだ処理水について、国民に正しい理解が広がっていないとの認識を示し、トリチウムの性質などに関する情報発信を強化する考えを明らかにした
 東電は七月、東京電力廃炉資料館(富岡町)で処理水に関する展示を始め、動画やパネルでトリチウムの性質などを伝えてきた。大倉代表は「正しい理解がまだまだ足りない。分かりやすい説明を尽くしたい」と述べた。
 県内の市町村議会などで処理水を巡る意見が異なる現状には、「(意見の相違で)地域が分断されることになれば当事者として二重三重に申し訳ない」とし、地域に寄り添った対応に努めるとした。


首相「決定先送りできず」 処理水方針、具体的時期は言及なし
                            福島民報 2020/10/29
 東京電力福島第一原発で増え続ける放射性物質トリチウムを含んだ処理水の処分を巡り、菅義偉首相は二十八日、衆院本会議の代表質問で「(福島第一原発の)敷地が逼迫(ひっぱく)する中で、いつまでも方針を決めず先送りすることはできない」と強調し、「これまでの検討を踏まえ、政府内での検討を深め、今後、適切な時期に政府として責任を持って処分方針を決める」と述べた。ただ、具体的な決定時期については言及しなかった。立憲民主党の枝野幸男代表の質問に答えた。
 枝野氏は「今月中の決定こそ否定されたが、海洋放出する方針との報道がなされ、関係者の不安は高まっている」と指摘。「国民に対する説明と国民的議論は全く不十分で、現状での決定は拙速だ」として、当面は地上保管を継続し「福島のみに負担を強いることのない処分方法など具体的な代案」の検討を求めた
 菅首相は政府小委員会がまとめた報告書に基づき、自治体や農林水産業団体などと意見交換を重ね、一般からは書面による意見募集を行ってきたとして「処理水の安全性や風評への懸念など、広く国民から貴重な意見をいただきつつ、議論を積み上げてきている」との認識を示した。