川内原発 テロ対策施設、11月から最終検査 ９割完成、発電再開へ燃料装塡
南日本新聞 2020/10/23
九州電力は２２日、運転停止中の川内原発１、２号機（薩摩川内市）に建設しているテロ対策の特定重大事故等対処施設（特重施設）について、それぞれ１１月中旬と１２月中旬に原子力規制委員会の最終検査を受けることを明らかにした。合格すれば運用を始め、発電を再開する予定。特重施設の完成は全国初となる。
九電によると、特重施設の工事は９割終了。１号機の発電再開に向け、２１日夜から原子炉に核燃料集合体の装塡（そうてん）を始めた。全１５７体のうち、５分の１に当たる３２体は新品に取り換える。作業は２４日に終える。
１号機は１１月の最終検査の後、原子炉を起動し、同２６日に発電を再開する計画。通常運転への復帰は１号機が１２月下旬、２号機は来年１月下旬の見込み。
特重施設はテロ攻撃で原子炉建屋に航空機の衝突を受けても、遠隔操作で原子炉を冷却し、放射性物質が漏れるのを防ぐ。東京電力福島第１原発事故を踏まえた新規制基準で設置が義務付けられた。
川内１、２号機は全国で最初に設置期限を迎えたが完成せず、それぞれ今年３月と５月に運転を停止。工事と定期検査を進めてきた。設置費用は２基合計で２４２０億円。
