第9回日本放射線事故・災害医学会の年次集会は4日、オンラインで開かれ、福島原発の廃炉作業で放射線による内部汚染事案が発生した際の医療対応などを検討しました。
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福島第一原発廃炉の医療対応を検討 放射線事故・災害医学会が年次集会
福島民報 2021/09/05
第9回日本放射線事故・災害医学会の年次集会は4日、オンラインで開かれ、東京電力福島第一原発の廃炉作業で放射線による内部汚染事案が発生した際の医療対応などを模索した。
学会に所属する医療機関や大学などの関係者らが遠隔通信で参加した。福島医大医学部放射線災害医療学講座の長谷川有史主任教授が大会長を務め、「福島第一原発におけるα(アルファ)核種内部汚染のリスクと対策」と題したシンポジウムを繰り広げた。
日本原子力研究開発機構福島研究開発拠点の百瀬琢麿氏は、同機構大洗研究開発センターで2017(平成29)年6月に起きた作業員被ばく事故の汚染状況や初動対応を紹介した。福島第一原発で事案が発生した場合に備え、汚染された服を脱がせ、体の除染や汚染状況の測定、医療措置などを速やかに行うための方法や手順を習得しておく大切さを指摘した。
東電の担当者は福島第一原発での対応状況を説明。アルファ核種を体内に取り込んだ患者の負担軽減に向け、「肺モニタ」「バイオアッセイ施設」と呼ばれる計測分析装置の設置を検討しているとした。
国連放射線影響科学委員会(UNSCEAR)による新たな報告書の内容を踏まえた福島第一原発事故の健康影響などに関する講演もあった