2021年9月30日木曜日

二審も国と東電に賠償命令 原発避難巡る松山訴訟

 福島原発事故で愛媛県に避難した人たちが、国と東京電力を訴えた裁判で、2審の高松高裁は1審に続いて「政府の機関が公表した地震の評価は、専門家の審議によるもので信頼できる。国は、これに基づいて津波の危険性を予測できたはずだ」国の責任を認め、国と東電にあわせて4620万円(1審は2700万円)の賠償を命じました。

 約30件の同種訴訟で高裁判決は4例目で、国と東電の賠償責任を認めた高裁判決は、福島訴訟の仙台高裁判決と千葉訴訟の東京高裁判決に続き3例目です
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二審も国と東電に賠償命令 原発避難巡る松山訴訟
                             共同通信 2021/9/29
 東京電力福島第1原発事故で福島県から愛媛県に避難した住民ら23人が、国と東電に計約1億3200万円の損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決で、高松高裁(神山隆一裁判長)は29日、一審松山地裁判決と同様に国と東電の責任を認め、賠償額も上積みして計約4620万円の支払いを命じた
 原告側によると、約30件の同種訴訟で高裁判決は4例目。国と東電の賠償責任を認めた高裁判決は、福島訴訟の仙台高裁判決と千葉訴訟の東京高裁判決に続き3例目
 神山裁判長は、国が原子力政策を積極的に推進した事実を踏まえ「国の責任範囲を限定するのは相当ではない」と言及し、上積みが相当と判断した。


原発避難者訴訟 2審も国の責任認める
                  NHK 愛媛 NEWS WEB 2021年9月29日
東京電力福島第一原子力発電所の事故で愛媛県に避難した人たちが、国と東京電力を訴えた裁判で、2審の高松高等裁判所は1審に続いて国の責任を認め、国と東京電力にあわせて4600万円あまりの賠償を命じました
この裁判は福島第一原発の事故で愛媛県に避難した人たちが、生活の基盤を失い精神的な苦痛を受けたなどとして国と東京電力に賠償を求めたもので、1審の松山地方裁判所はおととし、国の責任を認めて東京電力とともに2700万円あまりの賠償を命じていました。
きょうの2審の判決で、高松高等裁判所の神山隆一裁判長は、「政府の機関が公表した地震の評価は、専門家の審議によるもので信頼できる。国は、これに基づいて津波の危険性を予測できたはずだ」と指摘して、1審に続いて国の責任を認めました。
そのうえで「慣れない場所で避難生活を続けて平穏な日常生活を営むことができなくなり、故郷も失った住民たちの精神的な苦痛はきわめて深刻だ」として、ほとんどの原告について1審から慰謝料などを増額し、国と東京電力に対して控訴した23人にあわせて4600万円あまりを支払うよう命じました
原発事故で避難した人たちが国に賠償を求めた集団訴訟の高裁判決は全国で4件目で、国の責任を認める判決はこれで3件目です。