2021年9月20日月曜日

処理水放出 東電が仙台事務所設置 風評対策・賠償に対応

 宮城県の官民連携会議第3回会合で福島原発にたまる処理水を海洋放出する政府決定を巡り、東電は18日、宮城県内の関係者向けの風評対策や賠償対応を一元的に担う「仙台事務所」を1日付で設置したことを明らかにしました。
 宮城は一番の水産被害県で、東電がこれまでの賠償で裁判外紛争手続き(ADR)の和解案を受託しない対応について宮城県議会で批判されていました。今後他の県もこれを要求する可能性があります。
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処理水放出 東電が仙台事務所設置 風評対策、賠償に対応
                        河北新報 2021年09月19日
 東京電力福島第1原発にたまる処理水を海洋放出する政府決定を巡り、東電は18日、宮城県内の関係者向けの風評対策や賠償対応を一元的に担う「仙台事務所」を1日付で設置したことを明らかにした。
 政府や東電への地元要望をまとめる県の官民連携会議第3回会合で公表した。オンラインの会合には遠藤信哉副知事のほか、県内の水産業、農業の関係者ら約60人が出席した。
 東電によると、仙台事務所は、福島第1原発事故に伴う損害賠償に対応してきた「東北補償相談センター」とは異なる専属組織。国内外の理解醸成に向けた施策などを県内関係者に説明する役割もある。
 東電福島復興本社の内田正明副代表は「宮城県の皆さまの声をしっかり受け止め対応するため、体制を強化する。対話や協議を行い、地域の皆さまの要望に沿った対策を講じていきたい」と述べた。
 会合では、消費者や国際社会の理解が醸成されたことを明示する評価軸の必要性を指摘する意見が出た。海域のモニタリングや海洋生物の飼育試験の早期実施を訴える声も相次いだ。
 菅義偉首相の退陣を受けて10月に誕生する新首相が、海洋放出の政府決定を覆した場合の対応についても質疑が交わされた。
 経済産業省資源エネルギー庁の担当者は「難しい質問」と前置きし、「さまざまな形で不安や懸念に応えながら、今の方針を進めていくのが私どもの考え方」と述べるにとどめた。