河野太郎規制改革担当相は10日、自民党総裁選への立候補を表明しました。
以前河野氏は脱原発を掲げその趣旨のブログを発行していましたが、入閣後は主張を取り下げブログも削除しました。
立候補に当たり「原発を当面は再稼働するのが現実的」との考えを示しました。再稼働については「安全が確認された原発を再稼働していくのはある程度必要だ」とし、脱原発については「いずれ原子力はなくなる。ただ別に明日、来年やめろというつもりはない」と述べました。
使用済み核燃料の処理問題は「放置するのではなく、前向きに取り組んでいく必要がある。使い道のないプルトニウムをどのように扱うのか、現実的に考えていかなければならない」としました。
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自民総裁選、河野氏が出馬表明 原発再稼働容認 岸田・高市氏に続き3人目
時事通信 2021年9月10日
河野太郎規制改革担当相(58)は10日、衆院議員会館で記者会見し、菅義偉首相の後継を選ぶ自民党総裁選(17日告示、29日投開票)への立候補を表明した。河野氏の出馬は、野党時代の2009年以来、2回目となる。河野氏は脱原発を掲げてきたエネルギー政策について「原発を当面は再稼働するのが現実的」との考えを示した。
出馬表明は岸田文雄前政調会長(64)、高市早苗前総務相(60)に続き3人目。1週間後の告示日に向け、党内の攻防が激化しそうだ。
河野氏は会見で「ぬくもりのある社会をつくる。日本を前に進めたい」と強調。安倍晋三前首相の看板政策「アベノミクス」については「賃金まで波及しなかった」と問題点を指摘した。2%の物価目標達成も「かなり厳しい」と認めた。
その上で「企業から個人へ。個人を重視する経済を考えていきたい」と述べた。具体的には、労働分配率を引き上げた企業への法人税特例措置を挙げるにとどめた。
党内には脱原発と合わせ、河野氏がかつて言及した「女系天皇」容認論に対しても懸念がある。河野氏は会見で、政府の有識者会議の結論を尊重する考えを示し、不安解消に努めた。森友学園問題の再調査も「必要ない」と否定した。
会見で配布した政策パンフレットには (1)ワクチン2回接種後の社会平常化プログラム提示 (2)新たな脅威に対応する防衛力の整備・強化 (3)新しい時代にふさわしい憲法改正—などを盛り込んだ。
会見に先立ち、河野氏は首相、二階俊博幹事長と相次ぎ面会し、総裁選出馬を報告。また、所属する麻生派議員約25人との会合で支援を要請した。
一方、岸田氏は業界団体とのオンライン対話など党員票対策を進めた。この後、河野氏を念頭に「私のアピールポイントはチーム力。怒鳴ってばかりではチーム力は発揮できない」と記者団に語り、対決姿勢を鮮明にした。
高市氏は14日にも選対本部を発足させる方向で調整しており、河野氏出馬について記者団に「政策(論争)に厚みが出る」と語った。総裁選では石破茂元幹事長(64)と野田聖子幹事長代行(61)も出馬の可能性を探っている。 【時事通信社】
河野氏「原発を明日やめろというつもりはない」 党内に懸念に応え
毎日新聞 2021年9月8日
河野太郎行政改革担当相は8日、原発政策に関し、内閣府で記者団に「安全が確認された原発を再稼働していくのはある程度必要だ」と述べた。持論とする脱原発については「いずれ原子力はなくなる。ただ別に明日、来年やめろというつもりはない」とした。
河野氏は、菅義偉内閣が掲げた温室効果ガス排出量の「2050年実質ゼロ」に向け、「再生可能エネルギー最優先が基本だが、どうしても(電力が)足らざるところは安全が確認された原発を当面は使う」と説明した。使用済み核燃料の処理問題は「放置するのではなく、前向きに取り組んでいく必要がある。使い道のないプルトニウムをどのように扱うのか、現実的に考えていかなければならない」と指摘した。
河野氏は党総裁選への立候補に向け、党所属議員へのあいさつ回りを重ねている。一部議員から「脱原発」を懸念する声が上がったことを受け、政府の現行のエネルギー政策を踏まえる姿勢を示したとみられる。
また河野氏は安定的な皇位継承のあり方について、政府の有識者会議(座長・清家篤元慶応義塾長)の議論を尊重する考えを示した。
会議は女性皇族が結婚後も皇室に残る案と、戦後に皇籍を離脱した旧宮家の男系男子が養子縁組して皇籍復帰する案の2案を軸に検討している。河野氏はこれまで検討の必要性を主張していた女系・女性天皇には触れず、「皇統を維持していくための対応について広く世の中から支持を頂くことが大事だ」と述べた。【堀和彦】