東北電力は22日、「原子力のあり方に関する有識者会議」を仙台市の本店で開き、設置から10年を迎え、樋口康二郎社長は「当社業務にさまざまな改善が図られた」と述べ、会議の廃止を表明しました。
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東北電、原子力有識者会議を廃止 設置10年で「一区切り」
河北新報 2021年09月23日
東北電力は22日、「原子力のあり方に関する有識者会議」を仙台市青葉区の本店で開いた。再稼働を計画する女川原発2号機(宮城県女川町、石巻市)の安全対策工事の状況などを専門家らに報告。設置から10年を迎え、樋口康二郎社長は「当社業務にさまざまな改善が図られた」と述べ、会議の廃止を表明した。
原子力事業のあり方を議論した有識者会議
専門家と立地地域代表の委員7人が一部オンラインで出席した。樋口社長は女川2号機と東通原発(青森県東通村)の再稼働に向けて「地域との絆を強め、安全性を向上させる」とあいさつ。会議は「一区切り」とし、委員には今後も随時意見を聞く考えを示した。
委員の一人は、女川2号機の海抜29メートルの防潮堤について「仮に津波が越えても大丈夫なのか、あるいは越えない想定なのか」と質問。東北電側は「原子炉建屋の扉などを水密化しており、越えたとしても頑健性がある」と答えた。別の委員は「安全対策の見える化が大事だ」と指摘し、理由や効果を住民に分かりやすく説明するよう求めた。
後半の意見交換は非公開で行われた。座長の北村正晴東北大名誉教授(原子力工学)は終了後の取材に応じ、10年間の成果を問われ「説明に終わりはなく、是非は(住民ら)受け手が決めるとの方向付けができた。ただし、実践については鋭意努力を続ける必要がある」と注文を付けた。
会議は東京電力福島第1原発事故と、国主催の女川原発に関するシンポジウムに社員らを動員した問題を受けて置かれ、2011年11月に初回会合があった。