2021年9月8日水曜日

浪江町が記録誌発行 苦難の10年未来へつなぐ 

 福島原発事故からの復興に取り組む福島県浪江町が、この10年間を振り返った「震災・復興記録誌」をまとめました。「未来へつなぐ浪江の記憶」のサブタイトルが付けられA4判約240ページで、町外の人も1冊1000円(送料別)で購入できます

 原発事故で避難したまま戻らない人も含め、多くの町民から生活の様子などを聞き取り、ふるさと再生につなげようとの願いを込めました。
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苦難の10年、未来へつなぐ 浪江町が記録誌発行
                         河北新報 2021年09月07日
 東京電力福島第1原発事故からの復興に取り組む福島県浪江町が、この10年間を振り返った「震災・復興記録誌」をまとめた。原発事故で避難したまま戻らない人も含め、多くの町民から生活の様子などを聞き取り、ふるさと再生につなげようとの願いを込めた。
 「未来へつなぐ浪江の記憶」のサブタイトルが付けられた記録誌はA4判約240ページ。4章に分けられ、前半では2011年3月11日からの苦難の日々を掲載した。
 沿岸部は津波で大きな被害を受けたが、救出作業さなかの12日に原発事故で町の機能は阿武隈山中の津島地区に移転。多くの町民が一緒に避難したものの、原発で起きた水素爆発によって、15日には二本松市への再避難を迫られた経緯などを記している。
 後半は復興や町の将来像が中心。除染作業の進展状況や住宅再建、農林水産業の復興の様子を追いながら、町の将来ビジョンを紹介している。「若者が伝える 私の3・11」などの特集では、さまざまな町民が登場して思いを語った。
 浪江町では震災で182人が犠牲になったほか、昨年12月までに441人が関連死と認定された。原発事故で全町民約2万1000人が避難を強いられた。
 17年に一部で避難指示が解除されたが、帰還は進んでいない。今年3月末時点の町内在住者は1630人にとどまっている。
 記録誌の発行は5年前に次いで2度目。今回は1万5000冊作成し、全世帯に配布した。町外の人も1冊1000円(送料別)で購入できる。
 連絡先は町総務課0240(34)0229。