2024年12月7日土曜日

島根原発2号機 約13年ぶりに再稼働へ 「安全最優先で作業を」自治体は現地で臨界まで監視

 中国電力は7日に島根原発2号機を再稼働(⇒臨界)させます。12年1月以来12年11カ月ぶりで、中国電力には各方面から改めて万全の安全体制が求められています。
 7日は原子炉から核分裂を抑える制御棒を引き抜いて起動させ、約2時間で核分裂反応が持続する「臨界」に達する見込みです。
 島根原発に県の幹部職員を7日に派遣して、米子、境港両市などとともに原子炉の起動から臨界に達するまで現地で監視することなどを決めました。

 社民党島根県連は6日、加納克己代表代行らが松江市の中国電力島根支社を訪れ、7日に予定されている島根原発2号機の再稼働の中止を求める要請書を手渡しました。要請書では、中電の進めてきた安全対策が適切といえるか疑問が残ると訴えた上で、原発近くの宍道断層と鳥取沖にある活断層が、連動する可能性について再調査を求めました。
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12年11カ月ぶりに再稼働へ島根原子力発電所2号機「安全最優先で作業を」自治体は現地で臨界まで監視
                      TSK山陰中央テレビ 2024/12/6
中国電力は7日に島根原発2号機を再稼働させます。島根原発の稼働は、2012年1月以来12年11カ月ぶりで、中国電力には各方面から改めて万全の安全体制が求められています
島根原発2号機の再稼働は、発電所敷地内の中央制御室でコントロールされます。7日はまず、原子力規制委員会から原子炉の起動を正式に認める「試験使用承認書」を受け取ります。これを受けて12月3日に核燃料の装填を終え、再稼働を待つばかりとなっている原子炉から核分裂を抑える制御棒を引き抜いて起動させます。そして約2時間で核分裂反応が持続する「臨界」に達する見込みです。
島根原発は、東日本大震災後に事故を起こした東京電力福島第一原発と同じ沸騰水型とよばれる原子炉で、この型式の再稼働は2024年10月の宮城県の女川原発に続き2基目となります。
2号機は、福島原発事故を受けて改定された新基準に基づいて、地震・津波などへの対策が強化され、防波壁の増強など64項目に及ぶ安全対策設備の工事が完了しています。ただ、中国電力には立地自治体の島根県と松江市をはじめ関係各方面から改めて万全の安全体制が求められています。
6日は政府から武藤経済産業大臣が、7日の再稼働についてコメントしました。
武藤経済産業大臣
今後、電力需要の増加が見込まれる中で、電力供給構造の強靭化、電気料金の抑制、脱炭素電源の確保という観点から大変重要な案件だと承知している。中国電力におきましては、引き続き安全最優先で緊張感を持って作業を進めていただくようにお願いしていきたい。
また鳥取県は6日、原子炉起動に係る特別監視会議を開き、7日は島根原発に県の幹部職員を派遣して米子、境港両市などとともに原子炉の起動から臨界に達するまで現地で監視することなどを決めました。
こうした声を踏まえ中国電力も安全を最重点にした再稼働を強調しています。
島根原子力発電所・岩崎晃所長:(12月2日取材)
ずっと原子力の安全を向上しないといけないと取り組んできた。これ以上できないくらい設備は用意してきた。しっかりと丁寧に(最終)確認して起動を迎えたい
2号機の出力は82万キロワットで、発電は12月下旬に始まり、2025年1月上旬には営業運転を再開する予定になっています。


島根原子力発電所再稼働「中止」を中国電力に申し入れ 社民党島根県連「安全対策適切か疑問」と訴え
                      TSK山陰中央テレビ 2024/12/6
中国電力の島根原発2号機の再稼働が7日に迫る中、社民党島根県連が6日に中国電力に再稼働中止を申し入れました

社民党島根県連の加納克己代表代行らが松江市の中国電力島根支社を訪れ、7日に予定されている島根原発2号機の再稼働の中止を求める要請書を手渡しました。要請書では、中電の進めてきた安全対策が適切といえるか疑問が残ると訴えた上で、原発近くの宍道断層と鳥取沖にある活断層が、連動する可能性について再調査を求めました
これに対し中電は…。
中国電力島根原子力本部地域共生部・渡部賢部長
(原発は)安定的に電気をお届けするために不可欠な電源だと考えています。引き続き安全確保を大事に再稼働に向けた準備を一つ一つ着実に進めていきたい。
社会民主党島根県連・加納克己代表代行
(再稼働後)安全第一で、ちょっとでもトラブルが起きたら原因をはっきりさせていくということで対応してほしいと思っています
中国電力は、原発2号機の安全対策について、国の新規制基準を満たしているとした上で、今回受け取った要請書を経営陣に共有すると回答。7日の再稼働は予定通り行なうとしています。


中国電力、島根2号機再稼働へ 全国唯一、県庁所在地立地
                            共同通信 2024/12/7
 中国電力は7日午後、島根原発2号機(松江市、82万キロワット)の原子炉を起動し、再稼働する。島根原発は全国で唯一、県庁所在地に立地。30キロ圏には全国3番目となる約45万人を抱え、避難の実効性が課題となる。2号機は過酷事故を起こした東京電力福島第1原発と同じ沸騰水型。同タイプとしては東北電力女川原発2号機(宮城県)が10月に再稼働、島根2号機は2基目となる。

 中国電によると、7日午後に、制御棒を引き抜き原子炉を起動。同日中には核分裂反応が安定的に続く「臨界」に到達する見通し。12月下旬に発送電を開始し、翌1月上旬の営業運転再開を目指す。
 島根2号機は1989年に営業運転を開始。定期検査のため2012年1月に停止した。中国電は13年12月、再稼働の前提となる審査を原子力規制委員会に申請し、21年9月に合格。安全対策工事を完了させ、24年11月に核燃料装填を終えた。
 再稼働を巡っては今年5月、島根2号機の運転差し止めを住民が求めた仮処分で、広島高裁松江支部が申し立てを退ける決定をした。