2025年7月20日日曜日

20- 原発安全対策や財政支援を UPZの7市町首長 国要請へ県に連携求める

 柏崎刈羽原発から半径5~30キロ圈の避難準備区域(UPZ)に位置する7市町の首長が18日、花角英世知事と面会し、原発の安全対策と避難計画の実効性の向上などについて、国への要請に向けて県に連携を求めました。具体的には ①原子力災害時は国が責任が持ち補償する ②屋内退避に向けた住宅の耐震強化、気密化 ③避難路の整備、除雪体制や資機材の確保 ④電源三法交付金や特措法の対象地域拡大-などを要望しました。
 このうち「②屋内退避に向けた住宅の耐震強化、気密化」の要求は極めて重要で、それを具体的に指摘した「初めてのケース」のように思われます。

 2007年7月の中越沖地震では家屋の被害は柏崎市・刈羽村を中心に、全壊1,314棟、半壊5,621棟、一部損壊34,714棟に上りました。一部損壊でも放射能プルームの侵入を防げないので、住宅4万棟以上が屋内退避に不適であることが証明されました(積雪時には損壊の比率がさらに増大します)。
 そもそも規制委がUPZの住民は「当初屋内退避とする」という異例の方式を案出したのは、当初「避難路」が考慮されないまま原発が建設されたため事故時には大渋滞が生じるのを回避するためでした。しかし木造住宅では地震時に大々的に気密性を失うという事実を無視した「屋内退避」構想はそもそも〝非現実的″でした。今回のUPZ首長の問題提起を契機に根本的に再検討する必要があります。
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原発安全対策や財政支援を UPZの7市町首長 国要請へ県に連携求め
                        新潟日報 2025年7月19日
 東京電力柏崎刈羽原発の再稼働を巡り、原発から半径5~30キロ圈の避難準備区域(UPZ)に位置する7市町の首長が18日、県庁で花角英世知事と面会し、原発の安全対策と避難計画の実効性の向上、原子力防災対策に関する財政支援について、国への要請に向けて県に連携を求めた。
 参加したのは小千谷、長岡、上越、十日町、見附、燕、出雲崎の6市町の首長。面会は冒頭を除き、非公開で行われた。
 要望書では、世界最大級の総出力がある柏崎刈羽原発は30キロ圏内に特別豪雪地帯を含むなど世界に類をみない「特殊な立地環境にある」と説明した。
 その上で ①原子力災害時は国が責任が持ち補償する 屋内退避に向けた住宅の耐震強化、気密化 ③避難路の整備、除雪体制や資機材の確保 ④電源三法交付金や特措法の対象地域拡大-などを要望した。
 県に対しては、県が8月中にも始めるとしている再稼働の是非に関する県民意識調査の結果を踏まえ、7市町長と意見交換するよう求めた。
 終了後、小千谷市の宮崎悦男市長は「知事もしっかりと受け止めていただき、共に国に要望してほしい」と強調。「知事からは前向きに受け止めていただいたと思う」と話した。