2020年9月4日金曜日

むつ・中間貯蔵施設 事実上の合格

 原子力規制委は2日の定例会合で、リサイクル燃料貯蔵(RSF)の使用済み核燃料中間貯蔵施設が新規制基準に適合しているとする「審査書案」を委員5人の全会一致で了承しまし
 原発で使い終えた燃料を金属容器に入れて空冷する「乾式貯蔵」方式で一時保管するものです。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~
むつ・中間貯蔵施設 事実上の合格 規制委、安全審査書案を了承
河北新報 2020年09月03日
 原子力規制委員会は2日の定例会合で、リサイクル燃料貯蔵(RFS)の使用済み核燃料中間貯蔵施設(青森県むつ市)が新規制基準に適合しているとする「審査書案」を委員5人の全会一致で了承した。事実上の合格で、経済産業相や原子力委員会への意見聴取、一般からの意見公募(パブリックコメント)を経て正式合格となる見通し。

 審査書案では耐震設計の目安となる揺れ(基準地震動)を最大加速度620ガル、津波を青森県の想定の2倍に当たる高さ23メートルと仮想的に設定。津波が襲来した場合には使用済み核燃料の貯蔵建屋の一部が浸水することを想定し、安全性を確保できるよう施設や設備を設計することとした。
 中間貯蔵事業は、使用済み燃料を再処理して取り出したプルトニウムを使う核燃料サイクル政策の一環。原発で使い終えた燃料を金属容器に入れて空冷する「乾式貯蔵」方式で一時保管する
 RFSは東京電力が80%、日本原子力発電が20%を出資する企業で、2社の原発で発生した計5000トンを最長50年間保管する。国内唯一の原発敷地外での保管場所となる。2010年8月に着工し、14年1月に安全審査を申請した。
 RFSは21年度の事業開始を目指すが、正式合格後に予定される工事計画の審査終了後、改めて操業開始時期を設定する方針。
 施設で一時保管した使用済み燃料は、日本原燃が建設中の再処理工場(青森県六ケ所村)とは別に新設される再処理工場に運ぶ想定だった。しかし、新設構想は具体化しておらず、施設からどこに搬出するかは決まっていない。


使用済み核燃料貯蔵の長期化懸念 青森、事実上合格で規制委員長
共同通信 2020/9/2
 リサイクル燃料貯蔵(RFS)が青森県むつ市に建設中の使用済み核燃料中間貯蔵施設が原子力規制委員会の審査に事実上合格したことを受け、規制委の更田豊志委員長は2日の記者会見で「恐れるのは燃料を運び出す先がない状態で、燃料の容器の耐用年数に近づく事態だ」と述べ、貯蔵長期化への懸念を示した。

 RFSは東京電力と日本原子力発電が出資。施設で燃料を最長50年間保管し、再利用するために再処理工場に運び出す計画だが、具体的な搬出先は未定のままで、取り扱いが課題になっている。容器の耐用年数は輸送期間なども見込み60年間としている。