女川原発2号機の早期再稼働を求める陳情を石巻市議会が採択した24日、原発30キロ圏内にある5市町のトップは、実効性が不安視される重大事故時の避難計画を念頭に「再稼働の『同意』は、住民の安全確保あってこそだ」とくぎを刺しました。
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緊急防護措置区域内の首長「住民の安全大前提」 女川原発再稼働、石巻市議会容認で訴え
河北新報 2020年09月25日
東北電力女川原発2号機(宮城県女川町、石巻市)の早期再稼働を求める陳情を石巻市議会が採択した24日、原発30キロ圏の緊急防護措置区域(UPZ)内にある5市町のトップは、市議会の判断を尊重しながらも、実効性が不安視される重大事故時の避難計画を念頭に「再稼働の『同意』は、住民の安全確保あってこそだ」とくぎを刺した。
「安全に絶対はない」。再稼働の賛否について発言を控えていた遠藤釈雄涌谷町長は、再稼働の流れを加速させる石巻市議会の決定にこう反応した。遠藤町長は万一の事故時、風向きなどで生じる住民への深刻な影響を懸念。「原発は永久的なエネルギーではない。長期的視野で物事を考えるべきだ」とも述べ、UPZ内の首長間の協議に意欲を見せた。
UPZ内の首長組織で代表幹事を務める熊谷盛広登米市長は「市民の安全安心が大前提だ」と強調。「避難計画についてまだ議論の時間はある。あらゆる機会を捉えて県、国、東北電に物申したい」と訴えた。
「残念だ」と、率直な心境を明かしたのは相沢清一美里町長。議論が本格化した県議会と村井嘉浩知事に慎重な判断を求めた上で、「関係自治体だけの問題ではない。県全体が『地元』との発想が重要だ」と指摘した。
渥美巌東松島市長は「女川町議会に続き、石巻市議会も賛成の陳情を採択したことを重く受け止める」との談話を出した。佐藤仁南三陸町長は「他自治体の議会の判断にコメントする立場にない」と言及を避けた。
原発が立地し、既に町議会が賛成陳情を採択した女川町。須田善明町長は「いろいろな話し合いの上での結論だろう」と静かに受け止めた。