処理水処分早期決定を 大熊町議会、国への意見書可決
福島民報 2020/09/19
大熊町議会は十八日、九月定例会の最終本会議で、町内に立地する東京電力福島第一原発で増え続ける放射性物質トリチウムを含んだ処理水について、処分方法を早期に決定するよう国に求める意見書を賛成多数で可決した。町議会事務局によると、同町議会が処理水に関する意見書を提出、採決したのは初めて。
意見書では、町民帰還促進と新規移住者増加のため、処理水の処分をはじめとした福島第一原発の安全かつ確実な廃炉が必須だと強調した。処理水を保管するタンクが二〇二二(令和四)年夏ごろ満杯になる見通しだという点も指摘した。
その上で(1)原発敷地内から処理水を除去するため、処分方法の早期決定(2)処分について県民と国民に対して理解が得られるような情報発信と丁寧な説明(3)処分で新たな風評被害が発生しないような対策の拡充・強化-を国に求めた。具体的な処分方法などについて言及はない。
閉会後、吉岡健太郎議長は「タンク保管継続は町民を不安にさせ、帰還を妨げる要因になる。復興の足かせだ」と語った。