原子力損害賠償紛争審査会(原賠審)の委員は2日、南相馬市と大熊、双葉両町を視察し、両町の帰還困難区域で進む特定復興再生拠点区域(復興拠点)の整備状況や住民帰還の進まない現状などを確認しました。
原陪審については、彼らが11年に定めた中間指針が、賠償問題解決のネックになっているとしてこれまで弁護士会などがその見直しを求めてきたのですが、昨年1月、鎌田薫会長が「直ちに見直しが必要とは考えてない」と述べて一蹴したという経緯があります。
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復興拠点の整備状況確認 原賠審委員、浜通り3市町視察
福島民報 2020/09/03
文部科学省の原子力損害賠償紛争審査会(原賠審)の委員は二日、南相馬市と大熊、双葉両町を視察した。東京電力福島第一原発事故発生から間もなく九年半を迎える中、両町の帰還困難区域で進む特定復興再生拠点区域(復興拠点)の整備状況や住民帰還の進まない現状を確認した。
鎌田薫会長(早稲田大前総長)と大塚直会長代理(早稲田大法学部教授)が訪れ、門馬和夫市長、吉田淳大熊町長、伊沢史朗双葉町長と意見交換した。住民の避難が継続している点を踏まえ、中間指針の改訂を含む再検討を求める声が上がったという。
大熊町ではJR常磐線大野駅を訪れ、町の担当者から復興拠点の整備状況を聞いた。張り巡らされたバリケード越しに荒廃する家屋や商店を見た。鎌田会長は視察後、報道陣の取材に「駅はきれいになったが、周辺は変わっていない。町全体の復興が順調に進むことを期待する」と語った。