2019年4月18日木曜日

大山噴火の影響を再検討へ 関電の3原発

 鳥取県の大山が噴火した場合、福井県にある関西電力の3原発に与える影響について、原子力規制委は17日、従来の想定より降灰量が大きいとする新たな知見に基づく評価が必要との方針をまとめました。
 関電は新たな降灰量を最大で高浜21.9センチ、大飯19.3センチ、美浜13.5センチ積もると推定しましたが、それでも問題ないとしたうえで、極めてまれな巨大噴火の一部で、原発運転中に噴火する可能性は低いと主張しました。
 
 規制委の更田委員長は「異なる評価手法に基づくものを比較しており、到底認められない」と関電の主張を否定し、原子力規制庁に対応策の検討を指示しました。
 
追記)新たな知見としては下記の研究があげられます。興味のあるかたはご覧ください。
  WEB特集 「死が近づく中で… 執念の研究」
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大山噴火の影響を再検討へ 関電の3原発、新知見考慮 原子力規制委
時事通信 2019年4月17日
 鳥取県の大山が噴火した場合、福井県にある関西電力の3原発に与える影響について、原子力規制委員会は17日、従来の想定より噴火規模が大きいとする新たな知見に基づく評価が必要との方針をまとめた。規制委は今後、関電にどのような対応を求めるか検討する。
 これまでの審査で、関電は高浜、大飯、美浜の3原発の敷地に積もる火山灰は厚さ10センチ以下と想定していた。その後、大山の過去の噴火が想定より大規模だったとする新たな研究があり、規制委は関電に火山灰の厚さの検証を求めた。
 関電はこれに基づき、噴火による火山灰は最大で高浜21.9センチ、大飯19.3センチ、美浜13.5センチ積もると推定。研究にあった噴火は極めてまれな巨大噴火の一部で、原発運転中に噴火する可能性は低いと主張した。
 これに対し、規制委の更田豊志委員長は17日の定例会合で「異なる評価手法に基づくものを比較しており、到底認められない」と関電の主張を否定。原子力規制庁に対応策の検討を指示した
 
 
福井県3原発の降灰想定引き上げ 規制委、審査一部やり直し
東京新聞 2019年4月17日
 原子力規制委員会は17日の定例会合で、国内で大規模噴火が起きた場合に、福井県にある関西電力の美浜、大飯、高浜3原発に降ると想定している火山灰の厚さ10センチを引き上げることを決めた。既に終了した3原発の再稼働審査で規制委が妥当とした降灰の厚さの変更で、審査の一部やり直しとなり、異例の対応。規制委は大規模噴火の緊急性はないとして、再稼働済みの大飯3、4号機と高浜3、4号機の停止は求めないことを決めている
 
 想定は、大山(鳥取県)が大規模噴火した場合をシミュレーションするなどして算出したが、火山灰に関する新たな論文発表があり、降灰の厚さ見直しが必要になった。(共同)