2023年6月3日土曜日

原発産業救済そのもの 推進等5法案 共産 岩渕議員が追及

 別掲の記事のとおり、原発の60年超運転を可能にする束ね法「GX 脱炭素電源法」が31日、参院本会議で与党と維新、国民などの賛成多数で可決成立しました。

 共産党の岩渕友議員は30日の参院経産委で、法案は原子力産業を手厚く支援・保護するもので「原子力産業救済法にほかならない」と厳しく批判しました。中でも原発の運転期間を殆ど論拠がないままに6070年超さえ可能とすることは、福島原発事故の教訓を強引に否定する言語道断なものです。
 また岩渕議員は、所管閣僚の高市早苗科学技術政策担当相が法案の提出直前まで知らなかった事実や内閣府の担当者が経産省に籍を置く「出向者」だったこと明らかにして「経産省が主導し原発回帰の流れ」であると指摘しました
 どんなに危険な内容であってもひたすら多数を頼んで成立させるのでは日本の安全は保てません。法案の成立に当たりどのような反対意見が出されたのかは、少なくとも記憶しておく必要があります。
           ~~~~~~~~~~~~~~~~~~
原発産業救済そのもの 推進等5法案 岩渕議員が追及 参院経産委で自公維国可決
                                               しんぶん赤旗 2023年5月31日
 脱炭素などを口実に原発回帰に大転換する原発推進等5法案(GX電源法案)が30日の参院経済産業委員会で、自民、公明、維新、国民など各党の賛成多数で可決しました。日本共産党と立民は反対。同法案は原発の活用を「国の責務」とし、60年超の原発の運転期間延長を可能にするもの。日本共産党の岩渕友議員は質疑と討論で、法案は原子力産業を手厚く支援・保護するもので、「原子力産業救済法にほかならない」と厳しく批判しました

 大手電力会社や原子炉メーカーなどで構成する日本原子力産業協会(原産協会)は、原発新増設への事業環境整備や革新炉の技術開発への支援拡大を求める提言を発表しています。岩渕氏は、5法案のうち原子力基本法の改定案に、国の基本的施策として同じ内容が規定されているとし、「原産協会の提言通りであり、原発への支援そのものではないか」と追及。西村康稔経済産業相は、改定案は「公開の議論」や「適切なプロセス」を経て決定されたなどの言い訳に終始しました。
 岩渕氏は、原発事故後、国民的な議論をへて安全規制として「運転期間は40年」と規定されたと述べ、「運転期間を60年、70年超さえ可能とする仕組みは言語道断だ」とただしました。

 また、政府が原発に固執する結果、大手電力会社が再生可能エネルギーの出力を抑制していると指摘。世界の主流は、温室効果ガス削減効果が高く、発電コストも安い再エネであり、原発依存は石炭火発固執と一体で「世界の気候変動対策の流れに逆行するだけでなく、足を引っ張っている」と批判。岸田文雄首相は、エネルギー危機を口実に、「再エネか原子力かの二元論ではない」と原発回帰を正当化。一刻の猶予もない気候危機対策に背を向けました。(関連記事)


原発回帰 経産省主導か 原子力基本法改定案 岩渕氏が追及 参院連合審査
                       しんぶん赤旗 2023年5月31日
 日本共産党の岩渕友議員は30日の参院経済産業・内閣両委員会の連合審査で、原発推進等5法案のうち原子力基本法改定案について、経済産業省資源エネルギー庁の介入疑惑を追及しました。
 岩渕氏は、所管閣僚の高市早苗科学技術政策担当相の出席を求めてきたが実現していなかったと批判し、「連合審査で高市氏が出席したのは当然だ」と強調。高市氏は本法案の基となったGX(グリーントランスフォーメーション)実行会議での議論に参加しておらず、「いつ基本法の改定を知ったのか」とただしました。
 高市氏は「全体像を知ったのは今年2月2日」と初答弁。所管閣僚が法案提出の直前まで知らなかったという驚くべき事実が明らかになりました。
 岩渕氏は、エネ庁は昨年7月28日の段階で基本法改定案に近い案を示しており、高市氏への説明でもエネ庁作成の資料が使われたと指摘。法改定に向けエネ庁と面談した内閣府の担当者が経産省に籍を置く「出向者」だったことも明らかになったとし、「経産省が主導して原発回帰の流れを進めているのではないか」と迫りました。

 高市氏は「そのつど私の考えを申し上げてきた」と述べるにとどまりました。岩渕氏は「法改定の経緯は明らかではない。“なぜ原発だけ特別扱いなのか”と批判の声があり、改悪は認められない」と厳しく批判しました。