米沢光治会長(敦賀市長)が読売新聞の取材に応じました。
全原協が5月、高レベル放射性廃棄物の最終処分地選定についての提言書を高市首相へ提出した狙いについて、「国民全体が自分の問題として考えるきっかけにしたい」と考え、
「現実に国内で原発は稼働し、使用済み核燃料はたまり続けている。原子力に賛成か反対かに関係なく、広く国民全体で考えるべき、目の前にある問題だという意識があり、寿都、神恵内、玄海の各町村長にも話を聞いたが、本当に苦労をされていたので、処分場に限らず、原発や原子力施設の立地地域の将来像について、国も一緒になって考えてほしい」と訴えたことを明かしました。
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原発立地自治体の協議会、最終処分地選定の提言書を高市首相に提出…「原子力に賛成・反対関係なく広く国民全体で考えるべき」
読売新聞 2026/6/26
全国原子力発電所所在市町村協議会(全原協)は5月、高レベル放射性廃棄物の最終処分地選定についての提言書を高市首相へ提出した。米沢光治会長(敦賀市長)が読売新聞の取材に応じ、「国民全体が自分の問題として考えるきっかけにしたい」と狙いを明かした。(今津博文)
再処理工場では、「核のゴミ」とも呼ばれる高レベル放射性廃棄物も生じる。その最終処分場については、候補地選定の最初の段階である「文献調査」は北海道の寿都(すっつ)町や神恵内(かもえない)村、佐賀県玄海町、東京都小笠原村の4町村で実施されている。
全原協によると、昨年5月、提言書の検討委員会を設置。有志21市町村が参加し、議論を重ねて提言書をまとめた。
米沢会長は「現実に国内で原発は稼働し、使用済み核燃料はたまり続けている。原子力に賛成か反対かに関係なく、広く国民全体で考えるべき、目の前にある問題だという意識があった」と説明した。
提言書は4項目から成り、最初の項目で最終処分場の選定プロセスについて、「自治体の権限が極めて大きく、それゆえに自治体に大きな負担が発生している」と指摘した。
最終処分場の候補地選定では従来、自治体側による「手挙げ方式」が主だった。米沢会長は「世間の耳目は手を挙げた基礎自治体(市町村)に集中し、色んな議論の矢面に立たされる。寿都、神恵内、玄海の各町村長にも話を聞いたが、本当に苦労をされていた。もっと国に出てきてほしいという思いを込めた」と語る。
5月27日、首相官邸で米沢会長が提言書を手渡した際、高市首相は「国が前面に立つ」と述べたという。米沢会長は「我々の思いは伝わったと思う」と期待する。
最終処分場の実現に向け、「科学的で合理的な議論をしっかりとやってほしい。その上で、処分場に限らず、原発や原子力施設の立地地域の将来像について、国も一緒になって考えてほしい」と訴えた。
北欧2か国で「地層処分」の取り組み進む
高レベル放射性廃棄物は、使用済み核燃料からウランやプルトニウムを回収した後に残る廃液を、ガラスと一緒に溶かして固めたものだ。環境中に漏れ出ないよう、地下深くの安定した岩盤に埋める「地層処分」を行う。
高レベルの廃棄物や使用済み核燃料は放射線量が極めて高い状態で数万年以上、残り続ける。国際原子力機関(IAEA)は、地層処分を「人間の生活環境から半永久的に隔離する唯一の現実的な方法」としている。
フィンランドとスウェーデンは、使用済み核燃料を再処理せずにそのまま埋める方針だ。原子力発電環境整備機構(NUMO)によると、両国は地層処分への取り組みが最も進んでいる。フィンランドでは、2024年に世界初の最終処分場「オンカロ」の試運転を開始。スウェーデンも昨年、最終処分場の建設を開始した。
日本と同様、再処理後に最終処分を行うフランスでは、建設予定地が決まった。予定地近くの地下約500メートルにトンネルを掘り、具体的な手法の安全性を研究している。