2022年6月6日月曜日

福島原発汚染水の海洋放出 まだ基本データも受け取っていない韓国

 福島原発の汚染水の海洋放出は、地元漁業者らの反対を無視して実施に向けての準備作業が本軌道に乗っています。しかし韓国では、海洋放出の放射性核種の濃度や放出量、放出期間などの具体的な情報を日本が提供していないため、影響の把握に欠かせない汚染拡散モデルの分析が実施されていません。

 2日、福島原発汚染水関連省庁の関係者らが出席した中で開かれた韓日局長級オンライン会議でも、韓国政府は資料の提供を提起しましたが、日本側からこれといった答えを得られなかったということです。
 韓国のハンギョレ新聞が報じました。
           ~~~~~~~~~~~~~~~~~~
福島原発汚染水の海洋放出を着々と進める日本…データも受け取っていない韓国
                          ハンギョレ新聞 2022/6/4
日本、両国のオンライン会議で「資料ない」の一点張り 科学技術部は「拡散の予測モデル、まだ完成していない」、「最悪の汚染」対「無視できる水準」議論に決着つけるべき
 来春から福島第一原発の汚染水の海洋放出の実施を目指している日本の準備作業が本軌道に乗ったが、韓国では海に流れ込む放射性物質の影響を全く把握できない状態が続いている。日本の協力不足に韓国の準備不足が加わり、影響の把握に欠かせない汚染拡散モデルの分析さえ実施されなかったためだ。

 日本の原子力規制委員会は先月18日、東京電力の福島第一原発事故の汚染水海洋放出計画を承認した。日本のメディアの報道によると、原子力規制委は国民の意見を聞く手続きを踏んで、早ければ来月中にも放出のための実施計画を正式に認可する予定だ。東電は、管轄地方自治体の同意を取り付ければ放出に必要な設備工事に入ることができる。
 日本の福島原発汚染水の海洋放出は、約1年前の昨年4月13日に閣議決定された。日本政府は汚染水に含まれた放射性核種のほとんどを排出基準値以内に処理し、処理ができないトリチウム(三重水素)は海水で薄めて排出すると発表した。しかし、この場合でも海に入るトリチウムの総量は変わらない。
 これに伴い、漁業従事者を中心に汚染水が韓国内へ流入する影響を懸念する声が高まったが、相反する情報が入り混じって混乱が続いている状況だ。一方では汚染水の放出が人類史上最悪の海洋放射能汚染につながり、国民ががんや遺伝疾患から自由になれないと主張するが、他方では日本が汚染水を再び浄化せず放流しても、国内への影響は無視できる水準だと主張しているためだ。
 日本の汚染水の海洋放出が国内環境に及ぼす影響を予測するのは、このように議論が続く中で、汚染水問題に対する合理的な対応策を見出すための前提となる。
 これに伴い、科学技術情報通信部や海洋水産部、原子力安全委員会なども日本政府の海洋放出決定直後、「海洋拡散評価モデルに基づき、韓国の環境と国民健康に影響がないかを徹底的に分析し、検証する」方針を示した。
 しかし、それから約1年が経ったが、モデル分析はまだ始まってもいない状態だ。その理由について、福島原発汚染水の海洋拡散モデリング分析の主管部署である科学技術情報通信部関係者は「原子力研究院で開発中のモデルを高度化する作業がまだ終わっておらず、日本からデータを提供してもらわなければならないため」だと説明した。コンピューターモデリング分析に必要な海洋放出の放射性核種の濃度や放出量、放出期間などに関する具体的な情報を日本が提供していないという話だ。
 現在、性能向上の過程にある海洋拡散評価モデルは、関連機関が福島原発事故直後から構築作業に入り、2017年にひとまず開発が完了している。したがって、日本側から資料さえ提供してもらえれば、現段階でも分析が不可能なわけではない。原子力研究院の関係者は「シミュレーション(模擬)に関する基本入力資料を受け取っておらず、(分析を)実施したことがない」と話した。

 これを受け、韓国政府は2日、福島原発汚染水関連省庁の関係者らが出席した中で開かれた韓日局長級オンライン会議でも、資料提供問題を提起した。しかし、日本側からこれといった答えを得られなかった。科学技術情報通信部の関係者は、「汚染水内に存在するすべての核種の濃度のような具体的な情報を要請したが、(日本側は)自分たちも調査しなければならないとし、確保されれば透明に公開すると答えた」と伝えた。
 このような状況について、環境団体は韓日政府を批判している。グリーンピースのキャンペーンナー、チャン・マリ氏は「韓国政府はすでに2019年から国民の大多数が福島原発汚染水の海洋放流に強く反対しているにもかかわらず、これといった対応策を用意していない。また、日本は放射線影響評価報告書に放射能濃度や環境および人体に及ぼす影響など、主な内容を記載しないなど、汚染水に関する情報を透明に公開していない」と指摘した。
          キム・ジョンス先任記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)

女川原発でボルトなどが落下 県などが立ち入り調査

 女川原発3号機では、去年2月から5月の間に起きた複数の地震により、点検用の足場に使われていたボルトなどの部品89個が落下し、今年3月までに32個が回収されました。

 2日、宮城県などが女川原発への立ち入り調査を行い、未回収の57個の状況などを確認しました。また落下した原因の調査をしないまま、部品を捨てた可能性があることが分かりました
           ~~~~~~~~~~~~~~~~~~
女川原発でボルトなど部品89個が落下 
    立ち入り調査「主要設備への影響なし」
                             仙台放送 2022/6/3
去年、女川原発でボルトなどの部品が使用済み燃料プールに落下した問題などを受け、6月2日、県などが女川原発への立ち入り調査を行いました。
立ち入り調査は、東北電力との安全確保に関する協定に基づいて、県や女川町などが行ったものです。女川原発3号機では、去年2月から5月の間に起きた複数の地震により、点検用の足場に使われていたボルトなどの部品89個が落下し、一部が使用済み燃料プール内で見つかりました。89個のうち、今年3月までに32個が回収されたということで、調査では未回収の57個の状況などを確認しました。
県原子力安全対策課 横田浩志 課長:「いろいろな可能性を探っていただいて、最悪の事象を避けていただくということで点検、確認を継続してやっていただきたい」
これまでのところ、使用済み燃料プールなど、設備への影響はないということです。東北電力は運営管理を徹底して再発防止に努めるとしています。


原因調べず部品処分か 地震でボルト落下の女川原発
                           TBC東北放送 2022/6/2
女川原子力発電所で、去年、地震により、ボルトなどの部品が大量に落下したことを受けて、宮城県や女川町などが2日、立ち入り調査をしました。
その結果、東北電力が落下の原因などを調べないまま、部品を捨てた可能性があることが分かりました。
女川原発への立ち入り調査には、県や女川町、石巻市などの担当者があたりました。
調査では、3号機の原子炉建屋内で、去年2月の地震などで天井の足場からボルト類が外れ、床や燃料プールなどに落下した場所を調べました。
また、落下した89個の部品のうち燃料プールなどに落ちて、いまも回収できていない57個の部品が設備に与える影響などを確認しました。
そのなかで、東北電力が落下した原因の調査をしないまま、部品を捨てた可能性があることが分かりました。
県原子力安全対策課 横田浩志課長:「(部品の落下原因が)まだ解明しきれていない部分が残されているということでしたので、引き続き通常の点検の中で確認していくようなので対応していただけている印象はありました」
県の担当者は、危機意識の欠如を指摘し、「管理の見直し」など3点の対策を求めました。
2日はこのほか、去年7月、2号機で硫化水素が漏れ出したトラブルで、発生源となったタンク内の固定廃棄物75立方メートルのうち、まだ3立方メートルしか処理できていないことも確認されました。

06- 放射性物質拡散予測資料 茨城県に年内提出 原電が東海第2で

 日本原電は3日、国の新規制基準に基づく東海第2原発の安全対策工事現場を報道陣に公開し、その後の質疑応答のなかで、過酷事故が同原発で発生した場合の放射性物質の拡散シミュレーションを、年内に茨城県へ提出する方針を示しました。

 茨城県が、原発周辺の14市町村に策定が義務付けられた広域避難計画の実効性の検証に必要として、過酷事故時の放射性物質の拡散予測の提出を求めていたものです。
           ~~~~~~~~~~~~~~~~~~
放射性物質拡散を予測 東海第2 原電、茨城県に年内提出
                              茨城新聞 2022/6/4
日本原子力発電(原電)は3日、過酷事故が東海第2原発(茨城県東海村白方)で発生した場合の放射性物質の拡散シミュレーションを、年内に茨城県へ提出する方針を示した。原電は同日、国の新規制基準に基づく同原発の安全対策工事現場を報道陣に公開した。その後の質疑応答で、原電東海事業本部の高島正盛地域共生部長が答えた。
県は、同原発周辺の14市町村に策定が義務付けられた広域避難計画の実効性の検証に必要として、過酷事故時の放射性物質の拡散予測の提出を求めていた。
原電によると、提出されるシミュレーションは2~3年前の気象データ1年分を分析し、拡散計算ソフトを使って作成する。原子炉冷却機能の喪失や非常用電源が使えないなど、さまざまな状況を想定する。
その上で風向や風速、雨など、その時の天候で、どの方角にどのくらい放射性物質が放出されるかを予測する。想定される最悪の事態での放射性物質の放出量や飛散する距離、住民避難が必要とされる範囲などを県に示すとしている。
県は、提出される放射性物質の拡散予測から、避難に必要とされる車両や資機材の数量などを割り出し、各自治体の避難計画の検証に生かす方針だ。原電の方針を受け、県原子力安全対策課は「提出後にまず内容を精査したい」と話した。
広域避難計画は、東京電力福島第1原発事故後、過酷事故に備えて原発から半径30キロ圏内の自治体に策定が義務付けられている。東海第2原発の周辺14市町村では、現在までに5市町が策定済みで、9市町村は未策定となっている。
原電が安全対策工事を公開したのは、2020年12月以来の約1年半ぶり。津波対策の防潮堤整備をはじめ、原子炉の冷却に必要な電源の喪失に備える「常設代替高圧電源装置」、緊急時に原子炉や格納容器などを冷やす水をためる「代替淡水貯槽」など、現場6カ所を公開した。

2022年6月3日金曜日

泊原発の運転差し止めを命じる判決 北海道電力が控訴

 泊原発の運転差し止め・廃炉などを周辺住民が求めていた裁判で、「1審判決は当社の主張をご理解いただけず、到底承服できるものではない」として北電が2日、控訴しました。
 なお原告側も控訴する予定です。
    お知らせ
  都合により4日(土)と5日(日)は記事の更新が出来ません。ご了承ください。
           ~~~~~~~~~~~~~~~~~~
泊原発の運転差し止めを命じる判決…「到底承服できるものではない」北海道電力が控訴
                          HBC北海道放送 2022/6/2
 泊原発の運転差し止めや廃炉などを求めた裁判で、北電は、運転差し止めを命じた一審の判決を不服として、2日、控訴しました。
 この裁判は、道民らおよそ1200人が泊原発の運転差し止めや廃炉などを求めたものです。
 先月31日の一審判決で札幌地裁は、泊原発の津波対策について、北電の説明が不十分で、半径30キロ圏内に住む原告44人については、事故が起きた際に生命や身体を侵害するおそれがあるとして、泊原発の運転差し止めを命じました。
 北電は、この判決を不服として、2日、控訴しました。北電は「判決は当社の主張をご理解いただけず、到底承服できるものではない」とコメントしています。
 一審判決については、原告側も控訴する方針です。

六ケ所村使用済み核燃料再処理工場の完成時期 

 六ケ所村にある使用済み核燃料再処理工場について日本原燃は、9月末までとしている完成時期は、厳しい状況ではあるものの現時点で変更しない考えを示しました。
           ~~~~~~~~~~~~~~~~~~
六ケ所村使用済み核燃料再処理工場の完成時期 
     日本原燃・増田社長「厳しい状況だが変更しない」
                          青森朝日放送 2022/5/31
六ケ所村にある使用済み核燃料再処理工場についてです。事業者の日本原燃は、9月末までとしている完成時期は、厳しい状況ではあるが、現時点で変更しない考えを示しました。
日本原燃の増田尚宏社長は、31日の定例会見で、再処理工場の現在の状況について次のように話しました。
【日本原燃 増田尚宏社長】:「先月(4月)よりも、さらにしゅん工までの工程が厳しくなっているというのは間違いありません。しかし従前から申し上げている通り、しゅん工目標を変えるつもりはございません。しゅん工時期を守るにはどうすればよいか、設工認、工事、検査等、様々な分野で協力会社の方々や電力の皆さんと一緒に、知恵を絞っているという状況になります」
日本原燃は、原子力規制庁から資料の取りまとめができていないなど、役員の不適切なマネジメントの指摘を受けるなどし、設計や工事計画の認可に時間がかかっています。
【日本原燃 増田尚宏社長】:「資料の最終段階のチェックを6人の役員でしっかりやるということを、今回の対策にしたいと思っています」

「苦渋の判断だ」丸山知事、島根原発2号機の再稼働容認

 島根県の丸山達也知事が、島根原発2号機の再稼働同意を、2日午前の県議会で表明しました。これで安全審査合格から8カ月半を経て地元同意の手続きがすべて完了します。
 丸山知事は、原発が国のエネルギー政策の中で「一定の役割を担う必要があると考える」、「再稼働は現状においてはやむを得ないと考え、容認する判断をした」と述べ、「住民に不安や心配が残るもので、苦渋の判断だ」と強調しました。
           ~~~~~~~~~~~~~~~~~~
「苦渋の判断だ」丸山知事、島根原発2号機の再稼働容認 福島第1原発と同じ沸騰水型
                           山陰中央新報 2022/6/2
 島根県の丸山達也知事が、中国電力島根原発2号機(松江市鹿島町片句)の再稼働同意を、2日午前の県議会で表明した。原子力規制委員会による安全審査の合格から8カ月半を経て地元同意の手続きが完了し、近く中電と経済産業省に回答する。
【図表】島根原発2号機再稼働 各議会の議員の賛否まとめ

 判断の理由について丸山知事は、原発が国のエネルギー政策の中で「一定の役割を担う必要があると考える」と説明。「再稼働は現状においてはやむを得ないと考え、容認する判断をした」と述べた。「住民に不安や心配が残るもので、苦渋の判断だ」と強調した。
 中電が島根2号機を再稼働するには今後、規制委の審査で工事計画と保安規定の認可を受ける必要がある。安全対策工事については現時点で2023年2月に完了予定としている。
 島根2号機は21年9月に安全対策に関する規制委の審査に合格。地元自治体は2、3月に原発が立地する松江市のほか、30キロ圏内の出雲、安来、雲南各市と、鳥取県、米子、境港両市の首長が再稼働に同意を表明した。県議会は、議長を除く全県議33人で構成する特別委員会が容認する委員長報告をまとめ、5月26日に賛成多数で可決した。
 島根原発は全国で唯一、県庁所在地に立地し、避難計画の策定が必要な30キロ圏内には島根、鳥取両県の計6市が入り、約46万人が居住。日本原子力発電東海第2原発(茨城県)などに次いで全国で3番目に多い。  (白築昂)

島根原発2号機
 事故を起こした福島第1原発と同じ沸騰水型で、出力は82万キロワット。1989年2月に営業運転を始めた。定期検査のため2012年1月に運転を停止。13年12月に原子力規制委員会に新規制基準適合性審査を申請し、21年9月に合格した。1号機(46万キロワット)は廃炉作業中、3号機(137・3万キロワット)は規制委の審査が中断している。


【島根原発2号機】再稼働「同意」まで紆余曲折の10年(島根・松江市)
                        TSK山陰中央テレビ 2022/6/2
運転停止から10年以上を経て大きな局面を迎えた島根原発2号機。再稼働をめぐるこれまでの動きをまとめました。
丸山知事の表明で地元同意の手続きが完了した島根原発2号機。
中国電力担当者:「27日朝停止します」
運転を停止したのは2012年1月。その後、中国電力は再稼働を目指し、2013年12月に原子力規制委員会に安全対策の審査を申請。
原子力規制委:「何か問題が起こるかもしれないからないことにするという発想が出てくること自体どうかしているんじゃないか」
規制委員会から厳しい指摘を受けながら、福島第一原発事故後に強化された規制基準を満たすため、津波対策の防波壁を設置するなど安全対策を講じてきました。約8年に及ぶ審査の末…
原子力規制委員会・更田委員長:「正式に合格とする」
去年9月、安全審査の正式合格を迎えました。安全審査の合格後、焦点は地元の同意手続きに。
松江市・上定市長:「新規制規準にかかる安全対策の事前了解については、了解することといたします」
今年2月、同じく立地自治体である松江市がいち早く再稼働同意を表明。一方、原発30キロ圏内にある出雲、安来、雲南、米子、境港の5市と鳥取県は、かねてより求めてきた安全協定の改定について中国電力と議論を重ねました。
鳥取県・平井知事:「再稼働を全面的に、きょう無条件にOKするというものではない。私たちが求めたいのは『安全』というその一点」
鳥取県は、安全対策の徹底などの厳守を強く求めて容認するなど、今年4月までに周辺自治体のすべてが条件付きで再稼働容認を表明しました。
そして2日…周辺自治体や島根県議会などの意見を踏まえ、丸山知事が同意を表明。再稼働に向け、大きな局面を迎えました。

03- 小水力発電講演会及び今年度定期総会のご案内

 会報NO24でご案内したとおり、5日(日)に、湯沢町で建設中の小水力発電に関する講演会と今年度の定期総会を下記のとおり開催します。

 是非ご参加ください。前半の講演会のみの参加もOKです。

講演会及び22年度定期総会

 ■日 時 6月5日(日)午後1:30~4:00
 ■会 場 湯沢町公民館 3階会議室1、2
        ・各自、コロナ感染症対策をしてご参加ください。

第一部  講演会  13:30 ~ 14:45
・演 題 「湯沢町毛渡沢での小水力発電について」
・講 師  林 敏幸さん (越後湯沢水力発電㈱代表取締役社長、元湯沢町商工会長)

第二部 2022年度総会 15:00 ~ 16:00
<議題1> 原発をなくす湯沢の会2021年度活動報告及び会計収支決算書
<議題2> 2022年度活動計画及び会計収支予算書
 その他

   問い合せ先 原発をなくす湯沢の会事務局 南雲敏夫 090-2674-9414

【参考資料】
 湯沢町毛渡沢での小水力発電について昨年3月、新潟日報が取り上げましたので、参考資料としてテキスト版を表示します。
 原記事のPDF版には下記からアクセスできます(説明図含む やや不鮮明ですが)。
https://drive.google.com/file/d/1EEHzJxFp_k1enzBdM8kW4zaQjKeK4O5i/view?usp=sharing 

小水力発電所建設へ 砂防えん堤の落差利用 湯沢の企業
                         新潟日報 2021年3月25日
 湯沢町の越後湯沢水力発電は、魚野川支流にある砂防えん堤の流水を活用し小水力発電所を建設する。上流からポンプのように水を吸い上げる「サイホン式」と呼ばれる取水設備を使って発電する。今年9月の着工、2023年6月の稼働を目指す。電力は固定価格買い取り制度を科用して売電し、奨学金基金の創設などに役立てるとしている。
 同社は14年に林敏幸社長ら町内有志が設立した。毎年の入り込み客数によって収入が増減する観光業とは別に、安定した利益と、建設や維持管理による雇用につなげる狙い。総事業費は約5億円で、複数の銀行から融資を受けている。
 県道541号沿いの魚野川支流・毛度沢下流砂防えん堤に4つの取水口を取り付けて吸水する。同えん堤を管理する県に事業実施の許可を得ており、えん堤脇の敷地に約2千平方mの発電所設備を建てる。発電出力は188kwで、年間発電量は約132万9千kwh。年間約4500万円の売電利益を見込む。
 サイホン式の水力発電は、高低差で生じる圧力を利用して上流からの水を吸い上げて下流にある発電機に送り、水車を回す原理。同えん堤は高さ約9mで、ダムを活用する場合と比べて低めだが、サイホン式を採用することで低い落差でも発電できるという。また、周辺の河川は雪解け水により年間の水量が多く、発電所の稼働率の向上が期待できる。
 湯沢町商工会長も務める林社長は,「黒字化まで3年ほどかかるだろうが、数十年単位の長い視点で地域に利益を還元していきたい」としている。

 関連記事
  (5月24日)会報NO.24のPDF版を掲示します